NYマーケットダイジェスト・6日 株安・金利低下・円高

(6日終値)
ドル・円相場:1ドル=142.30円(前営業日比▲1.15円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=157.77円(▲1.61円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1084ドル(▲0.0027ドル)
ダウ工業株30種平均:40345.41ドル(▲410.34ドル)
ナスダック総合株価指数:16690.83(▲436.83)
10年物米国債利回り:3.71%(▲0.02%)
WTI原油先物10月限:1バレル=67.67ドル(▲1.48ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2524.6ドル(▲18.5ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は4日続落。米労働省が発表した8月米雇用統計では非農業部門雇用者数が前月比14.2万人増と予想の16.0万人増を下回った一方、平均時給が前月比0.4%/前年比3.8%と予想の前月比0.3%/前年比3.7%を上回った。失業率は4.2%と市場予想通りの結果となった。指標発表直後はドル買いで反応し、一時144.01円と日通し高値を付けたが、すぐに失速。142.01円まで一転下落した。
 ただ、米10年債利回りが3.75%台まで上昇すると再び買い戻しが優勢に。23時前には143.89円付近まで持ち直した。
 もっとも、買い戻しの勢いも長続きしなかった。米10年債利回りが一時3.6443%前後と昨年6月以来の低水準を付けると円買い・ドル売りが進行。一時250ドル超上昇したダウ平均が下げに転じ、440ドル超下落するとリスク・オフの円買いも入った。ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事が「適切であれば利下げの前倒しを支持」「現在の一連のデータは行動を必要としている」と述べた伝わると、一時141.78円と8月5日以来約1カ月ぶりの安値を付けた。
 その後、同日の安値141.70円が重要なサポートとして働くと142.75円付近まで下げ渋ったものの、戻りは限定的だった。

・ユーロドルは3日ぶりに反落。米雇用統計発表後に1.1082ドルまで売られたものの、そのあとは1.1155ドルと8月28日以来の高値を付けた。ただ、米長期金利が上昇に転じると一転売りが優勢となり、23時前に一時1.1066ドルと日通し安値を更新した。
 その後、ウォラーFRB理事のハト派的な発言を受けて1.1135ドル付近まで下げ渋る場面もあったが、米国株相場の下落を背景にリスク・オフのドル買いが入ると再び上値が重くなった。リスクセンチメントに敏感なオセアニア通貨の売りに連れた面もあった。
 なお、豪ドル米ドルは一時0.6660米ドル、NZドル米ドルは0.6156米ドルまで値を下げた。

・ユーロ円は反落。21時30分過ぎに一時159.64円と日通し高値を付けたものの、前日の高値159.79円が目先レジスタンスとして意識されると失速。日米株価指数の下落に伴うリスク回避の円買いが入ると日本時間夕刻に付けた157.92円を下抜けて一時157.47円と8月6日以来の安値を付けた。
 なお、ナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比1240円安の3万5120円まで急落した。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続落。8月米雇用統計で非農業部門雇用者数が予想を下回り、過去2カ月分が下方修正されると、米労働市場の軟化を示す内容だったと受け止められ、米景気減速への懸念から売りが広がった。アマゾン・ドット・コムやマイクロソフトなどハイテク株に売りが出た。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は反落。エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)など半導体関連の下げが目立った。

・米国債券相場で長期ゾーンは4日続伸。今週発表の米雇用関連の指標が軒並み低調となり米労働市場の軟化が示されると、米景気減速への懸念が高まった。相対的に安全資産とされる米国債に買いが集まると、利回りは一時3.6443%前後と昨年6月以来の低水準を記録した。

・原油先物相場は5日続落。昨日まで4日続落していたこともあり、NY入り序盤は買いが先行し一時70.13ドルまで上昇した。しかし、小高く始まった米株主要3指数が一転下げに転じ、徐々に下げ幅を広げるとリスク回避の動きの高まりで原油先物も弱含んだ。原油先物は一時昨年6月以来となる67ドル前半まで下落した。

・金先物相場は反落。8月米雇用統計の非農業部門雇用者数が市場予想を下回る結果になり、米長期金利が昨年6月以来の水準まで低下すると、金利のつかない金先物価格は一時強含んだ。しかし、オセアニア通貨などに対してドル買いが進むと上昇幅を徐々に縮め、引けにかけては売りが優勢になり反落して引けた。

(中村)
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