株式明日の戦略-終盤に崩れて5日ぶり反落、38000円より上の買いづらさを意識

 25日の日経平均は5日ぶり反落。終値は70円安の37870円。米国株高を受けても、寄り付きは一桁の上昇。寄った後は強弱感が交錯してプラス圏とマイナス圏を行き来した。動きが良くなっても、上げ幅を3桁に広げて38000円を上回ってくると上値が抑えられた。一方、マイナス圏に沈んでも3桁下落は回避した。プラス圏で推移する時間が長かったが、引けにかけてまとまった売りに押されて下落で終了。大引けが後場の安値となった。

 東証プライムの売買代金は概算で3兆8400億円。業種別では機械、空運、パルプ・紙などが上昇した一方、保険、銀行、水産・農林などが下落した。自己株取得を発表したサイボウズ<4776.T>が急伸。半面、証券会社が投資判断を引き下げたフリー<4478.T>が大幅に下落した。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり805/値下がり772。証券会社のリポートを材料にアドバンテストが3.7%高。中国の景気刺激策を好感した動きが見られ、資生堂やコーセーなど化粧品株に資金が向かった。ファナックや安川電機などFA・省力化関連も大幅上昇。業績関連では上期が計画上振れ着地となったスギHDが買いを集めた。

 一方、米長期金利の低下を嫌気して、三菱UFJや三井住友が大きめの下落。地銀株が軒並み安となったほか、東京海上やMS&ADなど保険株も弱く、金融全般が嫌われた。傘下の野村証券が国債取引で相場操縦の疑いがあると一部メディアで報じられた野村HDは、後場に大きく売られる場面があった。非公開化の提案を受けていた3Dインベストメントとの協議・交渉打ち切りを発表した東北新社が急落した。

 本日、グロース市場に新規上場したROXXは、公開価格を下回る初値をつけたが、終値は初値を上回った。福岡証券取引所のQボード市場に新規上場したリプライオリティは、初値が公開価格を下回り、終値は初値を下回った。

 日経平均は5日ぶりに反落。プラスで終えられず、引け味も悪かった。ただ、場中も不安定な動きが続いていただけに、プラスでもマイナスでも投資家のセンチメントは大きく変化しないと思われる。金曜27日に投開票が実施される自民党総裁選に関しては、石破氏、高市氏、小泉氏が有力とみられている。ただ、決選投票にもつれ込むのが濃厚で票が読みづらく、株式市場では事前には何も織り込めない状況。あすは9月の権利付き最終日。きのうきょうと38000円より上の買いづらさが強く意識されており、配当落ちの影響は約260円あるとみられている。駆け込み買いを入れるならきょうでも良く、あすは積極的な売買は手控えられるだろう。
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