東京為替見通し=ドル円は9月日銀短観、豪ドルは8月豪小売売上高に要注目か

 30日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、月末・期末のロンドン・フィキシングに絡んだドル買いやパウエルFRB議長が市場の一部で浮上している大幅利下げ観測を否定する見解を示したことで、143.91円まで上昇した。ユーロドルは、ラガルドECB総裁が追加利下げを示唆したことで1.1114ドルまで下落した。

 本日の東京外国為替市場のドル円は、9月調査の日銀短観や9月19-20日開催の日銀金融政策決定会合における主な意見を見極めながら、日銀の追加利上げの時期を探ることになる。

 ニューヨーク市場のドル円は、パウエルFRB議長が市場の一部で浮上している大幅利下げ観測を否定して利下げを急がない姿勢を示したことで、141円台から143円台後半まで反発している。
 シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、11月6-7日のFOMCで0.50%の利下げを予想する確率は前週末の53%台から35%程度まで低下した。

 日銀の追加利上げの時期も、10月27日の衆議院総選挙の投開票や11月5日の米大統領選を控えて、10月30-31日の日銀金融政策決定会合ではなく、12月18-19日になる可能性が高まっている。

 8時50分に公表される日銀・企業短期経済観測調査(短観、9月調査)では、企業の景況感が全体的に悪化すると見込まれている。大企業製造業の業況判断指数(DI)の予想は13で、6月調査13と変わらず、大企業非製造業の業況判断指数(DI)の予想は32で、6月調査の33からの悪化が見込まれている。しかし、堅調な設備投資計画や販売価格引き上げの継続意向が窺える内容になれば、日銀にとっては、追加利上げの根拠となる「経済・物価が見通しに沿った経路を辿っている」との判断を裏付ける材料になる。

 日銀金融政策決定会合における主な意見(9月19-20日分)では、石破自民党総裁の誕生や衆議院解散総選挙が織り込まれていないものの、年内の追加利上げに対する見解に注目したい。

 自民党の石破新総裁は、27日に衆議院選挙の投開票を行うと表明した。
 27日の投開票で石破政権が敗北した場合、日銀の利上げを容認しているイシバノミクスへの風当たりが強まることで、10月30-31日の日銀金融政策決定会合では、現状の金融政策の維持の可能性が高まることになる。

 10時30分に発表される8月豪小売売上高(予想:前月比+0.4%)では、11月4-5日の豪準備銀行(RBA)理事会での金融政策への材料を見極めることになる。

(山下)
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