NY為替見通し=9月米雇用統計、結果次第でドル相場は値幅を伴った動きに

 本日のニューヨーク為替市場では、やはり今週のメインイベントとなる9月米雇用統計が為替相場のすう勢を決めるだろう。市場予想からの乖離が大きいようだと、週末のポジション調整を巻き込みながらドル相場は値幅を伴った動きとなるか。

 雇用統計の市場予想は、非農業部門雇用者数変化(NFP)が14.0万人増と8月分からわずかに縮小とされているものの、前回から上振れを見込む向きも少なくない。3日に発表された9月ADP全米雇用報告が予想を上回ったことで、強い結果を期待する参加者も当然いるのだろう。しかしながら、NFPは2カ月連続で予想を下回っていることは念頭に入れておきたい。

 9月失業率は前回から横ばいの4.2%見込み。7月は、コロナ禍を除くと2017年以来の高い水準となる4.3%を記録した。前回は悪化が一服したものの、労働市場の需給バランスが崩れつつあるという懸念は残ったままだ。同時に発表される平均時給も確かめなければいけないが、もし失業率が再び上昇となれば、足もとで後退していた米連邦準備理事会(FRB)大幅利下げへの思惑が再び浮上することになる。

 なお、米東海岸やメキシコ湾岸の港湾での港湾労働者によるストライキは、賃上げで暫定合意した。長期化した場合、物流網の混乱は避けられずと見られていただけに、米国経済にとっては胸をなでおろす材料。ただし今後、同じ業界だけでなく、他業界でも賃金引上げを求めるストが広がる可能性は捨てきれない。そうなるとインフレ低下圧力にブレーキがかかることになるだろう。

 また、イランとイスラエルの対立激化による中東の地政学リスクの高まりには、週末を挟むだけに注意が必要。バイデン米政権はイスラエルのイラン石油施設への攻撃を支援するかを議論しているとし、原油相場は堅調に推移している。

想定レンジ上限
・ドル円、3日高値147.24円を超えると8月19日高値148.05円が目標値

想定レンジ下限
・ドル円、本日安値145.92円を割り込むと日足一目均衡表・転換線144.45円が意識される


(小針)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。