NY為替見通し=ドル円、FRB議長の講演に注目 石破ショック一服し米金利が材料に

 本日のニューヨーク為替市場でドル円は、石破ショックによる円買いが欧州前半に一服するなか、米金利動向を眺めながらの取引となるか。主な米国の経済指標は9月シカゴ購買部協会景気指数のみだが、序盤にボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事が経済見通しや今後の政策運営について発言予定。そして昼過ぎには、本日のメインイベントとなるパウエルFRB議長の講演が予定されている。

 パウエル議長は、全米企業エコノミスト協会(NABE)の昼食会で話す見込み。基本的には、18日に0.50%利下げを決定した米連邦公開市場委員会(FOMC)後の会見内容に沿った発言が想定される。同議長は、「インフレ率は我々の目標にかなり近づき、持続可能なペースで2%へと進んでいるとより強く確信を持てた」などと述べていた。

 注目ポイントの1つは、8月個人消費支出(PCE)デフレーターについて、パウエルFRB議長がどのような見解を示すか。同指標は前年比で予想以上に減速しており、先週末にドル売り圧力を強めるきっかけとなった。パウエル議長は前述した記者会見で、「FRBが急いでいることを示唆する予測は何もない」と発言していた。

 また欧州前半に買いが強まったユーロドルも、この後さらに動意付く可能性がありそうだ。日本時間21時に9月独消費者物価指数(CPI)、その1時間後にラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁の議会証言が予定されている。ドイツ各州の同月CPIは既に発表され、全般的に前年比が減速していた一方、前月比の加速が目立った。独長期金利が上昇で反応したことを受けてユーロ高に振れた。

 ラガルドECB総裁が自身の見解を強調することは少なく、議会ではサプライズなき証言に終わる可能性は確かにある。ただしユーロの地合い的には、利下げに少しでも消極的と受けとめられた場合、1.12ドル台で上値余地を試す場面があるかもしれない。

想定レンジ上限
・ドル円、日足一目均衡表・基準線143.40円
・ユーロドル、25日高値を超えると同日下落幅の上方倍返し1.1306ドル

想定レンジ下限
・ドル円、本日安値141.65円を割り込むと18日安値140.45円
・ユーロドル、25日安値1.1122ドル


(小針)
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