NY為替見通し=FRB高官の11月FOMCでの利下げ幅への言及に要注目か

 本日のNY為替市場のドル円は、好調な雇用情勢が示された米9月雇用統計を受けて、ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事やカシュカリ米ミネアポリス連銀総裁による11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ幅への言及に注目する展開が予想される。

 米9月雇用統計を受けて、11月のFOMCでの利下げ幅の確率は0.50%がゼロとなり、0.25%が93%程度、据え置きが7%程度になっている。

 ボウマンFRB理事は、9月のFOMCでの0.50%の大幅利下げ決定に反対して、0.25%の利下げを主張していた。ボウマンFRB理事はディスインフレに対し慎重な姿勢を崩しておらず、8月の講演では物価上昇率が目標の2.0%を「不快なほど」上回っていると述べ、政策金利は「漸進的」に引き下げるべきだと主張していた。
 ボウマンFRB理事の講演では、米9月の雇用統計を受けて、据え置きの可能性に言及するの否かに注目しておきたい。

 カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁は、先日、年内残る2回のFOMCでは、各会合0.25ポイントずつの利下げを見込んでいると述べていた。米9月の雇用統計を受けて、利下げ見通しに変化がないのか否かに注目しておきたい

 本日は、三村財務官が「投機的な動きを含めて為替市場の動向を注視」と述べ、加藤財務相兼金融担当相も、為替相場について、「急激な変動は企業活動にもマイナスで、国民生活にもプラスにはならない」と述べている。本邦通貨当局による、150円台に向けた上昇基調にあるドル円相場に対する円安抑制の可能性には警戒しておきたい。石破政権は、岸田前政権同様に、物価高対策を政策の柱に据えており、円安による輸入物価上昇は阻止するスタンスだと思われる。
 神田前財務官がドル売り・円買い介入に踏み切ったのは、2022年9月、ドル円が145円台に上昇した局面だった。

 また、本日10月7日は、昨年、パレスチナ自治区ガザのイスラム組織ハマスがイスラエルに奇襲攻撃を仕掛けた日から1周年であるため、イスラエルによるイランへの報復攻撃の可能性には警戒しておきたい。しかし、9日にオースティン米国防長官とイスラエルのガラント国防相が、イランへの反撃などについて協議する予定、と報じられており、最悪の事態を回避する協議、関連ヘッドラインには注視しておきたい。

・想定レンジ上限
 ドル円の上値目処(めど)は、149.39円(8/15高値)

・想定レンジ下限
 ドル円の下値目処(めど)は、146.89円(日足一目均衡表・雲の下限)


(山下)
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