ロンドン為替見通し=欧米金利を見据えながらの取引、FRB理事の講演に注目

 本日のロンドン為替市場でも、ユーロ相場を動意付けるような欧州発の材料が乏しいなか、欧米の金利動向を見据えながらの取引となりそうだ。昨日ユーロは対ドルで方向感なく上下したが、対スイスフランで売られ、対豪ドルでは買われた。それらユーロクロスにも注視していきたい。

 本日ユーロ圏からは、欧州序盤に8月独鉱工業生産と同月仏貿易・経常収支が発表される。独鉱工業生産は前回からの改善が見込まれているが、昨日の独製造業新規受注が予想以上に弱かったため、本日の独指標も下振れに要注意か。ただ仏指標とともに、基本的に相場へのインパクトは弱いだろう。

 金融当局者からは、欧州序盤にクーグラー米連邦準備理事会(FRB)理事の講演が予定されている。欧州中央銀行(ECB)主催の金融政策カンファレンスにおける発言なだけに、11月のFOMCに向けた具体的な内容となるかもしれない。現状、11月FOMCは0.25%でほぼ決まり、その後も同じ幅の利下げが年始にかけて継続されるというのが米金利市場の見立てだ。

 その他、センテノ・ポルトガル中銀総裁の講演が欧州昼頃に予定されている。ただ、前述したカンファレンスに絡み、欧州当局者から政策の先行きに関する発言が出るかもしれず、ニュースヘッドラインには注意をしておきたい。

 なお昨日、ユーロスイスフランが4営業日ぶりに反落し、0.93フラン後半で弱含んだ。中東情勢の緊迫化が、避難通貨とされるフラン買いに繋がったもよう。一方、ユーロ豪ドルは1.62豪ドル台で先月26日以来の高値を更新。米株が軟調に転じ、リスクに敏感な豪ドルへの売り圧力が強まった。今後もこれらユーロクロスは、中東の地政学リスクや株式相場の動向次第では値幅を伴った動きになりそうだ。

想定レンジ
・ユーロドル、日足一目均衡表・雲の上限1.1052ドル
・ユーロ豪ドル、9月23日高値1.6429豪ドル
・ユーロスイスフラン、4日高値0.9438フラン

想定レンジ下限
・ユーロドル、8月8日安値1.0882ドル
・ユーロ豪ドル、7日安値1.6074豪ドル
・ユーロスイスフラン、1月9日安値0.9279フラン


(小針)
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