ロンドン為替見通し=ユーロドル、下値警戒感は残る 午後のメインイベント控え

 本日のロンドン為替市場でもユーロドルは、下値への警戒感が保たれた値動きか。欧州昼過ぎには、先月に利下げが決定された欧州中央銀行(ECB)理事会の議事要旨が公表される。来週には追加利下げ予想が高まっているECB理事会を控えており、材料視される可能性は低い。ただ、昨日は約2カ月ぶりの安値圏まで弱含んだユーロドルであり、ハト派の文言を探しながら取引きされそうだ。

 本日のメインイベントは、欧州午後(ニューヨーク序盤)に発表される9月米消費者物価指数(CPI)。ヘッドラインインフレは前月比・前年比ともに前回からの鈍化が見込まれている。ただし、米労働市場の強さが確認された後なので、予想通りの減速程度では米金利に低下圧力はかからないのではないか。

 その米国について一部通信社が昨日、米連邦準備理事会(FRB)が来年にも利上げに転じる可能性を報じた。米国大統領候補のトランプ氏とハリス氏のどちらが当選したとしても、インフレ加速に繋がる政策を訴えていることがその理由。選挙結果は11月初旬、大統領就任は来年1月だが、相場は思惑が先行するものであり、ユーロドルは下サイドへのバイアスが強まりやすくなるだろう。

 他、欧州朝には9月ノルウェー消費者物価指数(CPI)が発表される。前月比・前年比ともに前回から上振れし、前年比は4カ月ぶりの3%台まで加速見込み。9月会合でノルウェー中銀は年内利下げなしを示唆しており、本日はそれを確認することになるか。しかしながらCPIが想定以上に強かった場合、来年第1四半期に利下げとの見方が後退し、ノルウェー・クローネ(NOK)相場は乱高下するかもしれない。

想定レンジ上限
・ユーロドル、8日高値1.0997ドル
・ノルウェー・クローネ(NOK)円、7月30日高値14.13円

想定レンジ還元
・ユーロドル、200日移動平均線1.0875ドル
・ノルウェー・クローネ(NOK)円、1日安値13.49円


(小針)
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