NY為替見通し=欧・米の重要イベントを確認しながらの展開か

 本日のNY市場では、欧・米で重要な経済指標の発表が複数予定されており、それらを一つずつ確認しながらの展開となりそうだ。

 まずは、市場の関心が集まっている欧州中銀(ECB)理事会について、市場予想は0.25%の利下げとなっている。足もとのインフレ率の低下と景気悪化を示すデータを受けたものとなっている。最近の要人発言を振り返っても、ラガルドECB総裁が連続利下げを示唆しているほか、タカ派のナーゲル独連銀総裁も「利下げ検討にオープン」と述べており、市場では利下げが確実視されている。

 また、理事会後の21時45分からはラガルドECB総裁の会見が予定されている。今後の金融政策について、データ次第で会合ごとに判断するとの姿勢が維持されるのかが、一つのポイントとなろう。今後の景気や金利見通しについてどのような見解を示すかも気になるところである。なお、金利先物市場では次回12月理事会での0.25%利下げがほぼ織り込まれている。

 また、米国では複数の指標が発表予定となっている。特に21時30分の発表時は9月小売売上高に注目が集まりそうだが、同時刻に発表される10月フィラデルフィア連銀製造業景気指数や新規失業保険申請件数の確認も怠らないようにしたい。市場予想は小売売上高が前月比+0.1%、除自動車は同+0.3%(前月:+0.1%/+0.1%)。10月フィラデルフィア(フィリー)連銀製造業景気指数は3.0(前月:1.7)、新規失業保険申請件数は26.0万件(前回:25.8万件)となっている。小売の除自動車とフィリーは前月を上回ると見られており、全般的に予想より強い結果となればドル買いが先行する展開もあるだろう。特に対ユーロでは、前後にECBの金融政策発表と総裁会見を挟んでおり、神経質な値動きもあり得る。

 そのほか、グールズビー米シカゴ連銀総裁の発言機会が設けられている。今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)投票権は有していないが、景気や金利見通しについての言及があれば材料視されるかもしれない。


想定レンジ上限
・ドル円は90日移動平均線150.29円。超えると心理的節目の151円
・ユーロドルは日足・一目均衡表の転換線1.0925ドル

想定レンジ下限
・ドル円は15日安値148.85円。割ると11日安値148.41円
・ユーロドルは8月1日安値1.0778ドル


(川畑)
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