NY為替見通し=ドル円、9月米CPIのサプライズに要警戒か

 本日のNY為替市場のドル円は、中東情勢の関連ヘッドラインに警戒しながら、伸び率の鈍化が見込まれている米9月の消費者物価指数(CPI)を見極める展開が予想される。

 米9月CPIの予想は、前月比+0.1%で8月の同比+0.2%から伸び率鈍化、前年比+2.3%で、8月の同比+2.5%からの伸び率鈍化が見込まれている。
 米連邦準備理事会(FRB)のインフレ目標2%は、前月比で+0.165%に対応しているので、予想通りに前月比+0.1%まで低下した場合、2%を割り込んでいることになる。

 また、FRBがインフレ指標として注視しているPCE総合価格指数の8月分は、すでに、前月比+0.1%だったことで、前月比ベースでは、インフレ目標2%を下回っていた。

 先日発表された好調な雇用情勢が示された米9月雇用統計と本日の米9月CPIに対して、クック米連邦準備理事会(FRB)理事、バーキン米リッチモンド連銀総裁、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁の見解にも注目しておきたい。

 シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%利下げ確率は80%程度、据え置き確率が20%程度になっている。スワップ市場の価格設定を見る限り、トレーダーは11月FOMCでの利下げを確信しておらず、9月CPIの上向きサプライズへの警戒感を示している。

 また引き続き「オクトーバー・サプライズ」になりかねないイスラエルとイランの軍事衝突の可能性を高める関連ヘッドラインには警戒しておきたい。

 ネタニヤフ・イスラエル首相は、本日治安閣議を招集する予定、と報じられている。
 バイデン米大統領は、イスラエルの報復は容認する姿勢を見せているものの、イランの核施設だけでなく、石油関連施設への攻撃も支持しない立場を明らかにしている。しかし、イスラエルのガラント国防相は、イランからの攻撃に対するイスラエルの反撃は「致命的で驚くべきものになる。我々の攻撃は致命的で正確で、そして何よりも驚くべきものになる」と述べており、予断を許さない状況が続くことになる。

・想定レンジ上限
 ドル円の上値目処(めど)は、150.89円(8/1高値)

・想定レンジ下限
 ドル円の下値目処(めど)は、148.01円(10/9安値)


(山下)
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