ロンドン為替見通し=米長期金利を眺めてNY勢を待つ展開か

 本日の欧州市場では、手掛かりとなりそうな経済指標の発表や要人発言は予定されていない。一方でNY市場では、国際通貨基金(IMF)・世界銀行年次総会が開催中(26日まで)であるほか、多数の要人発言が予定されている。欧州時間は手掛かり材料難のなか、昨日ユーロドルの重しとなった米10年債利回りに注目することになるか。

 16日にデイリー米サンフランシスコ連銀総裁が「年内に1回か2回の利下げが実施される可能性が高い」などと発言し、年内2回での連続利下げ観測がやや後退している。また、昨日は「米大統領選挙が近づく中、トランプ前大統領の勝利と米政府の財政拡張に対する懸念が金利上昇を誘った」との声も聞かれた。本日のアジア市場で時間外の米10年債利回りが4.2%台に上昇しており、この流れが欧州市場でも続くようならば、ユーロドルは下値を試しやすいと見る。

 日足チャート上では、ユーロドルは1.08ドルの心理的節目がサポートとなっているが、割り込むと下値模索の動きが再開する可能性がある。8月1日安値1.0778ドルも割り込んでしまうと、6月26日安値1.0666ドルまで主だった目標値が見当たらない。1.0750ドルといった心理的節目が機能するか注目したい。仮に値を上げたとしても、前週後半から昨日にかけて上伸を阻んだ200日線1.0871ドルが強力な抵抗となりそうだ。

 一方、NY勢の参入後には複数の要人発言が予定されている。その中でも22時25分のベイリー英中銀(BOE)総裁講演や28時15分のラガルドECB総裁やパネッタ伊中銀総裁の講演などは注目が集まりやすいと見る。

 冒頭で触れたが、国際通貨基金(IMF)・世界銀行年次総会が米ワシントンD.C.で開かれており、本日の現地時間9時(日本時間22時)に最新の世界経済見通しが発表される予定となっている。こちらも確認しておきたい。前回4月時点では、ユーロ圏の経済成長率(GDP)予測は2024年が+0.8%、2025年は+1.5%であった。


想定レンジ上限
ユーロドル:200日線1.0871ドル。

想定レンジ下限
ユーロドル:8月1日安値1.0778ドル。割り込むと心理的節目の1.0750ドル


(川畑)
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