ロンドン為替見通し=ユーロドル、ユーロ圏主要国の重要指標を見極めながらの取引

 本日のロンドン為替市場でユーロドルは、複数ある欧州経済指標を1つずつ見極めながらの取引か。また、欧州連合(EU)の中国に対する追加関税の影響などにも注意を払う必要があるだろう。

 欧州序盤には、ユーロ圏で経済規模が2番目に大きいフランスの7-9月期国内総生産(GDP)速報値が発表される。予想は前期比0.3%上昇と今年に入ってからのプラス成長は維持されそうだ。ただし、前回分が改定値で0.1ポイント下方修正されており、見込みより弱いと通貨ユーロへの印象は悪くなるだろう。

 ユーロ圏最大の経済大国ドイツからは、まず10月雇用統計が発表されるが、そのすぐ後に出る7-9月期GDP速報値の方がより注目されるだろう。こちらは前期比(季節調整済)が0.1%低下と前回同様に弱い結果が予想されている。同国景気のさえなさを確認することになれば、ナーゲル独連銀総裁は先週否定したものの「ECBの性急な利下げ」が現実味を帯びてきそうだ。

 またドイツからは、欧州午後(ニューヨーク勢の参入後)に10月消費者物価指数(CPI)速報値が発表予定。こちらの伸び率予想は前年比1.8%と水準的には低いものの、9月分からは加速が見込まれている。ただこの前に、ドイツ各州のCPIが欧州午前から明らかにされる。最近はそれら結果に反応することも多く、前回値から大きく上下に振れた場合は相場の動意を高めるかもしれない。

 ところで欧州連合(EU)は昨日、中国製の電気自動車(EV)に対する関税を従来の10%から、最大で45.3%まで引き上げることを決定した。新たな税率は本日から適用される。EUと中国は代替案の協議は継続としながらも両者の溝が埋まらない可能性も高く、今後は中国からの報復措置が警戒される。

想定レンジ上限
・ユーロドル、21日移動平均線1.0888ドル

想定レンジ下限
・ユーロドル、23日安値1.0761ドル


(小針)
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