株式明日の戦略-日経平均はクールダウン、FOMCは株高をもたらすか

 7日の日経平均は3日ぶり反落。終値は99円安の39381円。米国株の大幅高を受けて200円超上昇して始まり、すぐに上げ幅を400円超に広げた。しかし、39900円手前で急失速してマイナス圏に沈むと、一転して下げ幅を400円超に広げた。39000円割れは回避して10時台半ばからは値を戻し、後場のスタート直後には再びプラス圏に浮上。しかし、そこではすぐに売り直され、以降はマイナス圏で方向感に欠ける動きが続いた。136円安(39344円)でクロージング・オークションに入り、そこからやや水準を切り上げ、2桁の下落で取引を終了。値上がり銘柄は多く、TOPIXは終日プラス圏で推移した。

 東証プライムの売買代金は概算で6兆0500億円と、指数の振れ幅が大きくなる中で商いも膨らんだ。業種別では繊維、保険、建設などが上昇した一方、精密機器、小売、医薬品などが下落した。上期が大幅な増益となり、大規模な自己株取得も発表した大成建設<1801.T>が後場急騰。ストップ高まで買われる場面もあった。半面、前期が営業赤字に転落したコロプラ<3668.T>が急落した。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1267/値下がり353と、日経平均は下げたものの値上がり銘柄は1000を超えた。米長期金利の上昇を受けて金融株が買われており、三菱UFJ、MS&AD、T&Dなどが大幅上昇。きょうは半導体株と防衛関連が相場をかき乱したが、川崎重工には強い買いが入り、アドバンテストはプラスで終えた。決算が好感されたダイキンやNTTが大幅上昇。株主還元強化を発表した銘柄が跳ねており、京王やコカコーラBJHが2桁の上昇率となった。

 一方、ディスコとレーザーテックが4%台の下落。指数寄与度の大きいファーストリテイリングとソフトバンクGが売りに押された。上期が市場の期待に届かなかったニトリHDは、足元で円安が進行していることも嫌われる材料となって6.6%安。下方修正や減配を発表した大阪チタニウムが急落した。決算発表の延期を発表したサンウェルズが2割近い下落となり、ストップ安まで売られる場面があった。

 日経平均は乱高下して下落で終了。ダウ平均の4桁高はなかなかお目にかかれないし、米主要3指数がそろって史上最高値を更新しただけに連れ高してほしかったが、大統領選の結果を先取りしていた分、買いが続かなかった。とはいえ、TOPIXはプラスで終えており、プライムでも値上がり銘柄の方が圧倒的に多い。日経平均の下げは前日の急騰に対するクールダウンと捉えておいて良いだろう。

 本日、米国ではFOMCの結果が発表される。今回は0.25%の利下げが濃厚とみられており、その織り込みも進んでいる。足元で長期金利が上昇しているだけに米債券市場の反応は注目されるが、波乱の可能性は低い。FRBの緩和スタンスがしばらく続くとの見方が強まるようなら、米国のグロース株が買われて日本の半導体株にも好影響が及ぶだろう。今週は米大統領選が株高イベントになっただけに、FOMCもこの流れを後押しする展開に期待したい。
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