NY為替見通し=ドル高トレンド強まるか、ドルインデックスは7月以来の106が視野に

 本日のニューヨーク為替市場では、休場明けの米債券市場を眺めながらドル高トレンドがどの程度まで強まるかを見定める展開か。講演が予定されている複数の米金融当局者の発言内容にも注視したい。

 本日の東京午前から取引が再開された米10年債利回りは上昇して始まり、欧州前半も上げ幅を拡大。これを受けて主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは105後半で上値を伸ばし、7月以来の106台が視野に入ってきた。

 次期大統領のトランプ氏が目指す大幅な関税引き上げが輸入品のコストを上昇させ、くわえて同氏が公約する減税が米経済を刺激し、インフレ再燃が懸念されている。来年以降の財政拡張の話が目立つなか次期政権が歳出削減策を示さない限り、先週末にかけて落ち着いたかに見えた米債売りも再開することになりそうだ。

 米長期金利の先高観が強まるなか、短期金利も低下しづらくなってきた。12月米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の追加利下げはまだ市場のメインストーリーではあるものの、織り込み度合いは徐々に縮小している。明日発表の10月米消費者物価指数(CPI)が前年比総合で前回から伸び率加速が予想されていることも、米金利の下げ渋りに繋がりそうだ。そうなると、ドル高トレンドはまだ暫く続くことになるか。

 当局者の講演は、ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事、バーキン米リッチモンド連銀総裁がNY午前、午後にはカシュカリ米ミネアポリス連銀総裁が予定されている。トランプ次期大統領が掲げる政策について、それぞれがどのような見解を示すかが注目。

想定レンジ上限
・ドル円、11月7日高値154.71円
・ドルインデックス、6月高値106.13を超えたら5月高値106.49

想定レンジ下限
・ドル円、日足一目均衡表・転換線153.01円
・ドルインデックス、昨日安値104.93


(小針)
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