ニューヨーク外国為替市場概況・12日 ドル円、続伸

 12日のニューヨーク外国為替市場でドル円は続伸。終値は154.61円と前営業日NY終値(153.72円)と比べて89銭程度のドル高水準だった。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.44%台まで上昇すると全般ドル買いが先行。レジスタンスとして意識されていた7日の高値154.71円を上抜けて一時154.92円と7月30日以来の高値を更新した。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時106.18と5月1日以来の高値を付けた。
 米大統領選挙でトランプ前大統領の当選が確実になって以降、輸入品への関税引き上げでインフレが再燃するとの懸念や、財政出動が増えるとの見方を背景に米長期金利が上昇傾向にあり、ドルが買われやすい地合いとなっている。

 ユーロドルは3日続落。終値は1.0623ドルと前営業日NY終値(1.0655ドル)と比べて0.0032ドル程度のユーロ安水準だった。独連立政権崩壊でユーロ圏景気への懸念が意識される中、欧州時間発表の11月独ZEW景況感指数が予想を下回ると全般ユーロ売りが優勢となった。米長期金利の上昇に伴うドル買いも入り、4月16日の安値1.0601ドルを下抜けて一時1.0595ドルと昨年11月以来約1年ぶりの安値を更新した。市場では「トランプ・トレードの継続と独政局不安で下サイドへの警戒感が強い」との声が聞かれた。

 ユーロ円は続伸。終値は164.25円と前営業日NY終値(163.77円)と比べて48銭程度のユーロ高水準。ドル円の上昇につれた円売り・ユーロ買いが優勢になると、取引終了間際に一時164.33円と日通し高値を更新した。

 代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインは底堅い動き。NY序盤に対ドルで8万5133ドル前後まで下押ししたものの、引けにかけては再び強含んだ。6時前には8万9956ドル前後まで上昇し、日本時間夕刻に付けた史上最高値8万9968ドル前後に迫った。対円では6時前に1389万円台まで買われ、過去最高値を記録した。仮想通貨に好意的とみられるトランプ氏の米大統領選勝利が引き続き材料視された。

本日の参考レンジ
ドル円:153.41円 - 154.92円
ユーロドル:1.0595ドル - 1.0663ドル
ユーロ円:163.25円 - 164.33円

(中村)
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