NYマーケットダイジェスト・19日 株下値堅い・円失速

(19日終値)
ドル・円相場:1ドル=154.66円(前営業日比横ばい)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.86円(▲0.07円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0596ドル(▲0.0002ドル)
ダウ工業株30種平均:43268.94ドル(▲120.66ドル)
ナスダック総合株価指数:18987.47(△195.66)
10年物米国債利回り:4.40%(▲0.01%)
WTI原油先物12月限:1バレル=69.39ドル(△0.23ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2631.0ドル(△16.4ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)
       <発表値>   <前回発表値>
10月米住宅着工件数
       131.1万件    135.3万件・改
建設許可件数
       141.6万件    142.5万件・改

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は横ばい。ロシアが核兵器を使用するための条件を示した「核抑止力の国家政策指針」(核ドクトリン)を改定したと伝わったほか、ウクライナは米国から供与された長距離地対地ミサイルを使ってロシアの軍事施設を攻撃したと報じられた。ロシアとウクライナを巡る地政学リスクへの警戒感が高まるとリスク回避の円買いが強まり、日本時間夕刻に一時153.29円と日通し安値を付けた。
 ただ、NY市場に入ると買い戻しが優勢となった。ラブロフ露外相が「核戦争が起きないというのがロシアの立場だ」と発言したのを受けて、投資家の過度なリスク回避姿勢が後退した。
 その後、国際原子力機関(IAEA)が「イランは核兵器級に近いウランの生産停止に合意」「イランと核施設への査察官受け入れについて合意」と発表すると、さらに買い戻しが強まり、3時過ぎには154.80円と日通し高値を更新した。

・ユーロドルは3日ぶりに小反落。ロシアとウクライナを巡る一連の報道をきっかけにリスク・オフのユーロ売り・ドル買いが強まると、日本時間夕刻に一時1.0524ドルと日通し安値を付けた。ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢となり、0時30分過ぎには1.0601ドルとアジア時間に付けた日通し高値に面合わせした。

・ユーロ円も小反落。ウクライナとロシアを巡る地政学リスクの高まりから、日本時間夕刻に一時161.50円と10月4日以来の安値を付けたものの、NYの取引時間帯に入ると一転上昇した。一時は450ドル超下落したダウ平均が8ドル安程度まで下落幅を縮小したほか、ナスダック総合が上昇へ転じるなど、米国株相場が底堅く推移したことが買い戻しを誘った。6時前には一時163.93円付近まで持ち直した。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は4日続落。ウクライナとロシアを巡る地政学リスクの高まりを背景に売りが先行すると一時450ドル超下げた。ただ、ラブロフ露外相が「核戦争が起きないというのがロシアの立場だ」と発言したことから、リスク回避の動きは続かず下げ渋った。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は続伸した。

・米国債券相場で長期ゾーンは続伸。ロシアとウクライナを巡る情勢の緊張感から相対的に安全資産とされる米国債が買われたものの、ラブロフ露外相が「核戦争が起きないというのがロシアの立場だ」と発言したことから、リスク回避の動きは続かなかった。

・原油先物相場は小幅に続伸。ロシアのプーチン大統領が核ドクトリンの改定を承認し、核兵器の使用基準を緩和したと伝わると地政学リスクの高まりによる原油供給の停滞を見越した買いが先行。しかしラブロフ露外相が「ロシアの核ドクトリンは米国のものと変わらない」「核戦争を起こさないことがロシアの立場」と述べたほか、IAEAが「イランは核兵器級に近いウランの生産停止に合意」「イランと核施設への査察官受け入れについて合意」との発表も続き、買いの動きは落ち着いた。

・金先物相場は続伸。ドルは対ユーロなどで重い動きが続き、ドルインデックスの戻りも鈍いなどさえない推移。ドル建て金相場の割安感が意識されやすく、11日以来の水準2643ドル台まで一時上昇した。

(中村)
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