欧州マーケットダイジェスト・20日 株安・金利上昇・ユーロ安

(20日終値:21日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=155.21円(20日15時時点比△0.03円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.47円(▲0.82円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0532ドル(▲0.0055ドル)
FTSE100種総合株価指数:8085.07(前営業日比▲13.95)
ドイツ株式指数(DAX):19004.78(▲55.53)
10年物英国債利回り:4.469%(△0.027%)
10年物独国債利回り:2.351%(△0.013%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)
       <発表値>    <前回発表値>
10月独生産者物価指数(PPI)
(前月比)    0.2%     ▲0.5%
10月英消費者物価指数(CPI)
(前月比)    0.6%      0.0%
(前年比)    2.3%      1.7%
CPIコア指数
(前年比)    3.3%      3.2%
10月英小売物価指数(RPI)
(前月比)    0.5%     ▲0.3%
(前年比)    3.4%      2.7%
9月ユーロ圏建設支出
(前月比)   ▲0.1%     0.0%・改
(前年比)   ▲1.6%     ▲2.5%

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ユーロドルは軟調。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.43%台まで上昇するとユーロ売り・ドル買いが先行。市場では「ユーロ圏経済の先行き懸念から欧州中央銀行(ECB)が12月に追加利下げを決めるとの見方が根強く、ユーロ売りが出やすい地合いだ」との声も聞かれた。
 NYの取引時間帯に入ると、「ウクライナ軍はロシア領内の軍事目標に対し、英国製の長距離ミサイル『ストームシャドウ』を初めて発射した」との一部報道をきっかけにリスク・オフのユーロ売り・ドル買いが活発化。前日の安値1.0524ドルを下抜けて一時1.0507ドルまで値を下げた。
 ただ、14日に付けた年初来安値1.0497ドルがサポートとして意識されると下げ渋った。米10年債利回りが4.38%台まで低下したことも相場を下支えした。

・ドル円は頭が重かった。しばらくは155円台後半でのもみ合いが続いていたが、NY市場に入ると弱含んだ。ロシアとウクライナを巡る一連の報道をきっかけにリスク・オフの円買い・ドル売りが入り、0時30分前に一時155.06円付近まで値を下げた。
 ただ、対ユーロなどでドル買いが進んだ影響を受けたため、下押しは限定的だった。アジア時間に付けた日通し安値154.53円や一目均衡表転換線が位置する154.45円がサポートとして意識された面もあった。
 なお、クック米連邦準備理事会(FRB)理事はこの日の講演で「インフレは引き続き緩和しており、利下げ継続が適切となる可能性が高い」と述べた一方、「利下げの規模とタイミングは経済指標次第。事前に決まっていない」と指摘した。また、「インフレ鎮静化が停滞し、雇用市場が依然として堅調であれば、利下げを一時停止するシナリオも考えられる」と語った。

・ユーロ円はさえない展開だった。日本時間夕刻に一時164.76円と日通し高値を付けたものの、NY市場に入ると一転下落した。ロシアとウクライナを巡る地政学リスクへの警戒からリスク回避の円買い・ユーロ売りが優勢となった。米国株相場や日経平均先物の下落も相場の重しとなり、1時30分過ぎに一時163.17円と日通し安値を更新した。

・ロンドン株式相場は続落。10月英消費者物価指数(CPI)が予想を上回ると、英中銀(BOE)が利下げを進めにくくなるとの見方から売りが出た。ロシアとウクライナを巡る地政学リスクへの懸念も相場の重し。セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が売られたほか、BPやシェルなどエネルギー株が軟調だった。

・フランクフルト株式相場は4日続落。しばらくはもみ合いの展開が続いていたが、ロシアとウクライナの情勢を巡る市場の不安は根強く、終盤失速した。個別ではポルシェ(4.52%安)やバイエル(3.03%安)、メルセデス・ベンツグループ(1.85%安)などの下げが目立った。

・欧州債券相場は下落。英CPIの上振れをきっかけに英国債に売りが出た。

(中村)
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