東京為替見通し=ドル円、スポ末を気にしつつ方向感模索か オセアニアは重要イベントに注目

 26日のニューヨーク外国為替市場でドル円は続落。トランプ次期米大統領の関税強化発言をきっかけにアジアや欧州で株価が下落してリスク回避ムードとなった事が重しとなり、22時過ぎには一時152.99円と11日以来の安値を更新した。ユーロドルは伸び悩み。21時30分前に一時1.0545ドルと日通し高値を付けるも、米長期金利が再び上昇したことも重しとなって1.0457ドル付近まで下押しした。

 本日、本邦では主だった経済指標や要人発言は予定されていないほか、NY市場で10月米PCEデフレーターなど複数の指標発表を控えている。ドル円はスポット末日(取引した通貨の受け渡しが月末営業日)の仲値公示に向けた動きを確認しつつ、日経平均や時間外の米長期金利をながめながら方向感模索の展開となる可能性がある。

 とはいえ足元の相場を振り返ると、日銀の年内利上げ観測が重しとなっているのも事実。20日に155.89円の高値を付けた後は上値を切り下げる展開が続いており、昨日のNY市場では152.99円まで下落している。昨日安値を割り込む場面ではフロー主体で下値模索の機運が高まることも考えられるので注意したい。

 他方、オセアニア市場では重要指標の発表が相次ぐ。ニュージーランド(NZ)では、年内最後となる NZ 準備銀行(RBNZ)金融政策決定会合に注目。市場予想は50bpの利下げがコンセンサスとなっているが、OIS市場における金利見通しでは0.75%の利下げを3割弱織り込むなど、大幅利下げ観測もくすぶる。

 直近の主な経済指標を振り返ると、10月16日に発表されたNZ7-9月期消費者物価指数(CPI)は前年同期比+2.2%と市場予想通りの伸び鈍化で、RBNZのインフレ目標(年1-3%)の中間に接近。しかし、今月6日に発表された7-9月失業率は4.8%と4年ぶりの水準に悪化するなど、雇用環境の急速な悪化がNZ経済の懸念材料となっている。

 今回のRBNZ会合では利下げ幅が焦点であり、見方が分かれているだけに発表直後のNZドル相場は荒れた展開となる恐れがある。その後にオアRBNZ総裁の会見も予定されており、声明と合わせて今後の金利や経済状況などの見通しについても確認しておきたい。

 豪州からは、10月消費者物価指数(CPI)が発表される。月次のCPIはヘッドライン・トリム平均値共に夏頃から伸び鈍化の傾向となっており、前回9月はヘッドラインが前年比+2.1%、トリム平均値は同+3.2%であった。伸び鈍化傾向が続く場合は豪ドル相場の重しとなりそうだ。

(川畑)
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