ロンドン為替見通し=11月ユーロ圏HICPに注目、昨日は仏中銀総裁が利下げに言及

 本日ロンドン時間では、月末ということもあり多数の経済指標が発表される。その中で最も注目されるのが11月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値だろう。昨日は、ビルロワドガロー仏中銀総裁が「12月に利下げする理由は十分にあり、規模についてはオープンな姿勢を維持すべき」と発言し、ユーロ売りを誘う場面があった。本日のインフレ指標が仏中銀総裁の見解を裏付けるかに市場の目が集まりそうだ。

 もっとも、11月ユーロ圏HICP速報値の前年比予想は2.3%上昇と前回から0.3ポイント加速が見込まれている。予想通りであれば4カ月ぶりの高い水準であり、ECBのインフレ目標値から再び上振れることにもなる。同コアも前年比2.8%と3カ月ぶりに上向く見通しだ。足もとの物価基調がどの程度まで市場で意識されるか、金利市場の動向も注視しておきたい。

 なおアジア午前には、東京都区部のインフレ加速を受けて日銀の早期追加利上げ観測の高まったことで円高が進行した。昨日は米国が感謝祭で祝日、本日も米債券・株・商品市場が短縮取引ということもあり、それほど動かないと市場は油断していたようだ。

 もっとも、次の日銀会合(12月18-19日)まではまだ時間があり、先行データであるものの東京都区部インフレ指標だけで一気に利上げを織り込むというのも難しいのではないか。週末を控えて本邦当局者が見解を示すかもしれず、円相場も巻き戻しには注意が必要だろう。

 ほか欧州の経済指標では、10月独小売売上高(予想:前月比-0.5%/前年比3.3%)11月仏消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比0.1%/前年比1.5%)あたりがユーロ相場の動意に繋がるかもしれない。

想定レンジ上限
・ユーロドル、日足一目均衡表・基準線1.0636ドル。
・ユーロ円、日足一目均衡表・雲の下限160.09円。

想定レンジ下限
・ユーロドル、日足一目均衡表・転換線1.0473ドル。
・ユーロ円、9月30日安値158.11円。158円を割り込むと9月18日安値157.05円が視野に入る。


(小針)
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