ロンドン為替見通し=ユーロ、政治的リスクを抱えながら経済指標を確認か

 本日の欧州市場でのユーロは、仏・独の政治的リスクを抱えながら、仏・独・ユーロ圏で発表される11月製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値などを確認してゆくことになるか。

 まず、欧州市場序盤に、仏・独・ユーロ圏で11月製造業PMI改定値が発表予定。いずれも市場予想は速報値から変わらずと見られている。とはいえ、先月22日に発表された仏・独・ユーロ圏の製造業・サービス業PMI速報値では、独製造業が小幅に予想を上回った以外はすべて予想を下回るなど、欧州圏の景況感の悪化が示される内容になってユーロが売られたのは記憶に新しい。速報値からの下方修正が相次ぐ場合は再び欧州の景気悪化が意識されて、ユーロ売りの材料にされる可能性がある。

 また、仏・独の政局不安も、ユーロにとって懸念材料である。フランスでは、ルペン氏が率いる国民連合(RN)が、予算案が修正されない場合は内閣不信任案に賛成票を投じるとされている中、本日朝方にアルマン財務相が「フランスは予算で脅迫されることはない」と発言したことで、政局運営に不透明感が強まりユーロが売られた。ドイツでは連立政権が崩壊し総選挙を前倒しで行うことになるなど、欧州連合(EU)域内で1位と2位の経済大国の政局が不安定となり、欧州勢の反応に注目したい。

 そのほか、対円相場という点では、16時に予定されている日銀の債券市場サーベイ(2024年11月調査)にも注目したい。先月29日の植田日銀総裁のインタビュー記事に続いて、日銀の早期利上げ観測を後押しする内容が伝われば、再び円が買われる展開も考えられる。


想定レンジ上限
・ユーロドル:11月29日高値1.0597ドル
・ユーロ円:11月29日陰線実体部の1/2戻し水準159.16円

想定レンジ下限
・ユーロドル:一目均衡表の転換線1.0473ドル
・ユーロ円:9月19日安値157.78円


(川畑)
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