東京為替見通し=ドル円、7-9月期実質GDP改定値で日銀利上げ確率の変化を見極めか
6日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、11月米非農業部門雇用者数が前月比+22.7万人と予想を上回ったものの、「フェドウオッチ」で12月FOMCでの0.25%の利下げ確率が91%まで急上昇したことで一時149.37円まで下落した。しかし、ボウマンFRB理事とハマック米クリーブランド連銀総裁の発言や12月米ミシガン大学消費者態度指数・速報値などを受けて150.13円付近まで持ち直した。ユーロドルは1.0630ドルまで上昇した後、1.0542ドルまで反落した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、7-9月期実質GDP改定値を受けた日銀の利上げ確率の変化を見極めた後は、米中長期債利回りや日経平均株価の動向に沿った値動きが予想される。
ドル円の一目均衡表でのテクニカル分析では、攻防の分岐点である雲の上限150.11円付近で推移していることで、雲が支持帯として機能するのか、それとも雲の中へ入っていくのか、今後の注目ポイントとなっている。
11月30日に報じられた日本経済新聞電子版の植田和男日銀総裁のインタビューでは、総裁は追加利上げの時期について「データがオントラック(想定通り)に推移しているという意味では近づいている」との認識を示した。
また、12月5日のハト派の中村日銀審議委員の講演でも、オントラックに言及があり、GDPの2次速報(※本日発表)や12月調査の日銀短観(※13日発表)などのデータを確認したい、との見解が聞かれた。
本日8時50分に発表される7-9月期実質GDP改定値では、予想通りにオントラックであることを確認して、先週30%台に落ち込んだ18-19日の日銀金融政策決定会合での0.25%の利上げ確率の変化を見極めることになる。
また、先週末発表された11月の米雇用統計を受けて、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」で、12月17-18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%の利下げ確率が90%前後まで上昇した。
非農業部門雇用者数は、ハリケーンによる減少の反動と航空大手ボーイングのストライキ終了を受けて、前月比22.7万人の増加だった。さらに、10月は速報値の+1.2万人から+3.6万人へ上方修正(+2.4万人)され、9月は改定値の+22.3万人から+25.5万人へ上方修正(+3.2万人)されたことから、合計で5.6万人の上方修正となった。
しかし、失業率は4.245%(※四捨五入4.2%)となり、10月の4.145%(※四捨五入4.1%)から上昇し、就労者数は35.5万人減少していた。そして、失職者(会社都合での解雇や契約終了)や完全解雇者数(会社都合の解雇者)も増加し、不完全雇用率や長期失業者の割合も上昇していたことで、労働市場は依然として調整過程にあることが示唆されていた。さらに、景気後退(リセッション)が近づく前に先行して上昇する傾向がある黒人の失業率が6.4%へ上昇していたことも懸念材料となっている。
また、トランプ次期米大統領は、今年4月に、ドル円が34年ぶりの高値を更新して154円台に乗せた際に、「アメリカの製造業にとって大惨事」と述べており、ドル高・円安を牽制するような発言の可能性には引き続き警戒しておきたい。
(山下)
本日の東京外国為替市場のドル円は、7-9月期実質GDP改定値を受けた日銀の利上げ確率の変化を見極めた後は、米中長期債利回りや日経平均株価の動向に沿った値動きが予想される。
ドル円の一目均衡表でのテクニカル分析では、攻防の分岐点である雲の上限150.11円付近で推移していることで、雲が支持帯として機能するのか、それとも雲の中へ入っていくのか、今後の注目ポイントとなっている。
11月30日に報じられた日本経済新聞電子版の植田和男日銀総裁のインタビューでは、総裁は追加利上げの時期について「データがオントラック(想定通り)に推移しているという意味では近づいている」との認識を示した。
また、12月5日のハト派の中村日銀審議委員の講演でも、オントラックに言及があり、GDPの2次速報(※本日発表)や12月調査の日銀短観(※13日発表)などのデータを確認したい、との見解が聞かれた。
本日8時50分に発表される7-9月期実質GDP改定値では、予想通りにオントラックであることを確認して、先週30%台に落ち込んだ18-19日の日銀金融政策決定会合での0.25%の利上げ確率の変化を見極めることになる。
また、先週末発表された11月の米雇用統計を受けて、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」で、12月17-18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%の利下げ確率が90%前後まで上昇した。
非農業部門雇用者数は、ハリケーンによる減少の反動と航空大手ボーイングのストライキ終了を受けて、前月比22.7万人の増加だった。さらに、10月は速報値の+1.2万人から+3.6万人へ上方修正(+2.4万人)され、9月は改定値の+22.3万人から+25.5万人へ上方修正(+3.2万人)されたことから、合計で5.6万人の上方修正となった。
しかし、失業率は4.245%(※四捨五入4.2%)となり、10月の4.145%(※四捨五入4.1%)から上昇し、就労者数は35.5万人減少していた。そして、失職者(会社都合での解雇や契約終了)や完全解雇者数(会社都合の解雇者)も増加し、不完全雇用率や長期失業者の割合も上昇していたことで、労働市場は依然として調整過程にあることが示唆されていた。さらに、景気後退(リセッション)が近づく前に先行して上昇する傾向がある黒人の失業率が6.4%へ上昇していたことも懸念材料となっている。
また、トランプ次期米大統領は、今年4月に、ドル円が34年ぶりの高値を更新して154円台に乗せた際に、「アメリカの製造業にとって大惨事」と述べており、ドル高・円安を牽制するような発言の可能性には引き続き警戒しておきたい。
(山下)