ロンドン為替見通し=ウクライナや中東の地政学リスクに要警戒か

 本日のロンドン為替市場のユーロドルは、主要な経済指標や要人発言の予定がないことで、ウクライナ情勢や中東情勢の地政学リスクに警戒する展開となる。

 本日は、12日の欧州中央銀行(ECB)理事会を控えて、NYカットオプション(1.0550ドル、1.0565ドル、1.0570ドル、1.0575ドル、1.0580ドル、1.0600ドル)が値動きを抑制する可能性も念頭に置いておきたい。

 ウクライナ情勢では、プーチン露大統領がベラルーシのルカシェンコ大統領からの中距離弾道ミサイルシステム提供の要求に肯定的な発言をしたことによる新たな局面に警戒しておきたい。
 中東情勢では、プーチン露大統領が2015年から反政府勢力への空爆を通じて支援してきたシリアのアサド政権の崩壊を受けて、新たなシリアの混迷の可能性、そしてロシアへの影響に警戒しておきたい。

 米11月の雇用統計を受けて、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、12月米連邦公開市場委員会(FOMC)の0.25%の利下げ確率が80%台まで上昇し、米10年債利回りが低下している。
 米中長期債の利回りの動向にも警戒しておきたい。

 12日のECB理事会では、0.25%の追加利下げが予想されているが、来年からのトランプ関税によるユーロ圏の景況感悪化懸念を受けて、0.50%の大幅利下げを見込む向きもあるため、米中長期債の利回りの低下にも関わらず、ユーロは上値が重い展開となっている。

 ポンドドルは、22時からのハト派のラムスデンBOE副総裁の講演に要注目か。ラムスデンBOE副総裁は、先日、「経済は引き続き正常化し、低水準で比較的安定した最近のインフレ傾向は継続。不確実性が減少し、さらなるデフレ圧力を示唆する証拠が明確になれば、利下げにそれほど緩やかなアプローチを取らないことを検討する」と述べており、本日も同様の見解が見込まれている。

想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0636ドル(日足一目均衡表・基準線)
・ユーロ円:159.58円(12/6高値)
・ポンドドル:1.2811ドル(12/6高値)
・ポンド円:192.37円(12/6高値)

想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0461ドル(12/2安値)
・ユーロ円:156.99円(12/4安値)
・ポンドドル:1.2617ドル(12/2安値)
・ポンド円:190.36円(日足一目均衡表・転換線)


(山下)
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