東京為替見通し=ドル円は利上げ先送り観測で続伸か、豪ドルは11月雇用統計に要注目

 11日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、欧州時間に報じられた日銀が追加利上げを急がない可能性、との観測報道を受けて152.82円まで上昇した。ユーロドルは「欧州経済の不透明感などを背景に欧州中央銀行(ECB)が来年にかけて利下げを続ける」との見方から1.0480ドルまで下落した。

 本日の東京外国為替市場のドル円は、来週18-19日の日銀金融政策決定会合での0.25%の追加利上げ見送り報道を受けて上値を探る展開が予想される。

 昨日のドル円は、18-19日の日銀金融政策決定会合での0.25%の利上げ確率が19%台まで低下したことで152.82円まで上昇した。

 昨日は、複数の関係者の話として、「日本銀行は、海外経済の不確実性が強まっている中で、追加利上げを急ぐ状況にはないと認識している」と報じられた。
 また、先日、氷見野日銀副総裁が来年1月14日に神奈川県金融経済懇談会に出席し、その後記者会見を行う、と報じられていた。すなわち、来年1月23-24日の日銀金融政策決定会合の前に、氷見野副総裁が日銀の政策運営に関する考え方を市場に伝えることで、7月31日の政策金利0.25%への引き上げという植田ショックの再現を回避する目論見ではないか、との見方が強まっていた。

 翌日物金利スワップ(OIS)市場が織り込む18-19日の日銀金融政策決定会合での0.25%の利上げ確率は、12月初めに66%程度まで上昇していたが、現状は19%台まで低下してきており、1月会合での利上げ確率は50%台に上昇している。

 しかし、「今後公表されるデータや為替相場の動向次第では、来週の金融政策決定会合での実施の可能性もある」とも報じられていることで、ドル円の円安動向や明日発表される12月調査の日銀短観、そして日銀筋からの見解に注目していくことになる。

 12月5日に講演したハト派の中村日銀審議委員は、オントラック(想定通り)との言及があり、利上げの是非を判断する情報として、毎月勤労統計調査、GDPの2次速報(※上方修正)、12月調査の日銀短観(※13日発表)などのデータを確認したい、と述べていた。

 9時30分に発表される11月豪雇用統計の予想は、失業率が4.2%(10月4.1%)、新規雇用者数は前月比+2.50万人(10月+1.59万人)となっている。
 10日の豪準備銀行(RBA)理事会では、政策金利4.35%の据え置きが決定されたが、労働市場に関しては、賃金上昇率の低下や労働生産性の伸びの弱さが言及されており、雇用情勢が悪化した場合には警戒しておきたい。
 11月のRBA理事会では雇用市場の大幅な悪化を警告し、将来のデータによっては金融緩和が必要になる可能性が示唆されていた。

(山下)
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