ロンドン為替見通し=序盤は日銀総裁会見、その後は欧州株や金融イベントに注目

 本日のロンドン為替市場では、序盤は植田日銀総裁の会見を眺めながらの円相場中心の値動きとなりそうだ。株式市場がオープンした後は、昨日の米金融イベントを受けて急落した米株の流れを欧州株がどの程度まで引き継ぐか注視したい。英国を含めた複数公表される中銀の金融政策にも注目。

 日銀は昨日から今日にかけて開催した金融政策決定会合で、「翌日物の無担保コールレートを0.25%程度で推移するよう促す」ことを決定した。政策金利の据え置きであり、こちらは市場の予想通りだったが市場は素直に円売りで反応した。ここからは、15時30分から始まる植田総裁の定例会見で「追加利上げ」のタイミングを探ることになる。

 先月末に伝わった植田総裁のインタビュー記事では、経済が見通し通りであればとの条件付きながらも、利上げの可能性を示唆する内容だった。来年前半の日銀会合は、「1月23-24日、3月18-19日、4月30-5月1日」に予定されている。1月の金利引き上げに含みを持たせれば円買い戻しに振れる場面もあるか。一方、利上げを3、4月まで先送りするような慎重姿勢を示せば、昨日売られたクロス円が巻き戻しが進むかもしれない。

 欧州の金融政策は、日本時間17時30分にスウェーデン中銀(政策金利予想 2.75%から2.50%に引き下げ)、18時にノルウェー中銀(予想 4.50%で据え置き)、そして21時に英中銀(予想 4.75%で据え置き)が公表予定。

 北欧2カ国の金利差拡大が見込まれるなか、ノルウェー・クローネ(NOK)買い/スウェーデン・クローナ(SEK)売りが単純に進むかに目を向けてみたい。NOK/SEKは11月後半に一時パリティ(1.00SEK)に迫るも、足もとでは0.97SEK台とノルウェー・クローネ安に傾いている。

 英中銀については、金融政策委員会(MPC)の投票行動がポイントか。昨日の11月英インフレ指標はほぼ予想に沿った結果ではあるが、物価上昇率の底堅さは確認された。来年の利下げ幅に対する見通しも縮小しており、昨日は米金利上昇でポンドドルは下落したものの、本日の英MPC次第では底固めをすることになりそうだ。

想定レンジ上限
・ポンド円、ピボット・レジスタンス2の196.53円
・ポンドドル、17日高値1.2729ドル
・ユーロドル、日足一目均衡表・基準線1.0483ドル

想定レンジ下限
・ポンド円、日足一目均衡表・転換線193.25円
・ポンドドル、11月22日安値1.2487ドル
・ユーロドル、2022年11月22日安値1.0240ドル


(小針)
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