欧州マーケットダイジェスト・10日 株安・金利上昇・円高

(10日終値:11日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=157.67円(10日15時時点比▲0.74円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.52円(▲1.42円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0244ドル(▲0.0041ドル)
FTSE100種総合株価指数:8248.49(前営業日比▲71.20)
ドイツ株式指数(DAX):20214.79(▲102.31)
10年物英国債利回り:4.838%(△0.027%)
10年物独国債利回り:2.595%(△0.028%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)
       <発表値>    <前回発表値>
12月スイス失業率
        2.8%       2.6%
11月仏鉱工業生産
(前月比)   0.2%      ▲0.3%・改
11月仏消費支出
(前月比)   0.3%      ▲0.3%・改

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ユーロドルは軟調。12月米雇用統計の発表を控えてしばらくは1.03ドル台前半でのもみ合いが続いていたが、指標結果が伝わると下落した。米労働省が発表した12月米雇用統計では非農業部門雇用者数が前月比25.6万人増と予想の16.0万人増を大幅に上回り、失業率が4.1%と予想の4.2%より強い結果に。市場では「米連邦準備理事会(FRB)の利下げ休止の論拠を裏付ける内容」との受け止めから、米長期金利が急伸し、全般ドル買いが活発化した。2日に付けた直近安値の1.0226ドルを下抜けると一時1.0215ドルと2022年11月以来の安値を更新した。
 なお、米長期金利の指標となる米10年債利回りは一時4.7860%前後と23年11月以来の高水準を記録した。

・ドル円は乱高下。「日銀は23-24日に開く金融政策決定会合で、変動が大きい生鮮食品とエネルギーを除いた消費者物価(コアコアCPI)の見通しを上方修正する公算」との一部報道をきっかけに円買い・ドル売りが先行。18時過ぎに一時157.63円まで下落した。ただ、良好な米雇用統計をきっかけに米長期金利が急伸すると全般ドル買いが優勢となり、一時158.87円と昨年7月12日以来約半年ぶりの高値を付けた。
 もっとも、米長期金利の上昇が一服するとドル円の上値は重くなった。米国株相場の大幅下落を背景にリスク・オフの円買いが優勢になると、0時30分前に一時157.23円と日通し安値を更新した。ユーロ円などクロス円の下落につれた売りも出た。

・ユーロ円は頭が重かった。日本時間夕刻に一時163.19円と日通し高値を付けたものの、前日の高値163.43円が目先レジスタンスとして意識されると失速。NY市場に入り、ダウ平均が一時750ドル超下落するなど、米国株相場が軟調に推移するとリスク回避の円買い・ユーロ売りが加速した。24時過ぎには一時161.21円と日通し安値を更新した。

・ロンドン株式相場は3日ぶりに反落。週末を控えたポジション調整目的の売りが出たほか、米国株相場の下落につれた売りが出た。ナショナルグリッドやSSEなど公共事業株が売られたほか、ユニリーバやディアジオなど生活必需品株が値下がりした。半面、BPやシェルなどエネルギー株は買われた。

・フランクフルト株式相場は3日続落。12月米雇用統計の発表を前にしばらくはもみ合いの展開が続いていたが、終盤弱含んだ。米国株相場の大幅下落を受けて独株にも売りが波及した。個別ではザランド(5.39%安)やシーメンス・エナジー(4.62%安)、エーオン(4.52%安)などの下げが目立った。

・欧州債券相場は下落。米債安につれた。

(中村)
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