NY為替見通し=NY債券・株式市場の動向を眺めながら、米12月財政赤字に要注目か

 本日のNY為替市場のドル円は、ニューヨーク債券・株式市場の動向を注視しながら、米12月財政赤字を見極める展開が予想される。

 先週末のダウ平均は696ドル下落し、米10年債利回りは4.78%台まで上昇し、ドル円はリスク回避の円買いで157円台まで反落した。本日も、同様な株安、債券安、ドル安・円高の流れが続くのか否かに注目しておきたい。

 また、今年1月1日に米国の債務上限適用の停止期限を迎えたが、米財務省は、実際に上限に到達するのは1月14日から23日の間になるとの見通しを示している。
 米国政府が新たな借り入れができずにデフォルト(債務不履行)に陥ることを防ぐには、昨年12月のつなぎ予算案に、トランプ次期米大統領が盛り込もうとした上限の引き上げか効力停止が必要となる。
 しかし、共和党の保守強硬派の反対で上限引き上げや効力停止の案は退けられており、20日のトランプ次期米大統領の就任式の後で、債務上限問題が復活することになる。
 トランプ次期米大統領は「デフォルトが起これば、世界恐慌が始まった1929年のようになるかもしれない」と警告しているが、共和党の保守強硬派が大幅な歳出削減を求めており、早期解決は困難な情勢となっている。

 2025会計年度(24年10月-25年9月)累計の赤字(10月・11月)は6242.13億ドルとなり、コロナ禍の時期を上回り、同期間としては過去最高を記録した。
 本日発表される12月の財政赤字次第では、同期間としては過去最高を記録する可能性があることで、トランプ関税や減税による財政赤字の拡大懸念が高まることになる。

 また、米国債の利回り上昇により、2024年度の連邦政府の公的債務利子が1.2兆ドルとなっていた。発行されている国債の50%が今後3年で満期になるため、現状の米中長期債利回りの高止まりが続いた場合、利払い額は、2倍の2兆ドルに達することが警戒されている。

・想定レンジ上限
 ドル円の上値目処(めど)は、158.87円(1/10高値)

・想定レンジ下限
 ドル円の下値目処(めど)は、156.24円(1/6安値)



(山下)
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