ロンドン為替見通し=ポンド中心の値動き続くか、まずは複数の英指標を見定め

 本日のロンドン為替市場も、序盤に英国で複数発表される重要な経済指標を見定めながらポンド中心の値動きか。指標は11月国内総生産(GDP)や同月鉱工業生産と製造業生産高、貿易収支などが発表予定。

 昨日の12月英消費者物価指数(CPI)は総合・コアとも予想より伸び率が低下した。くわえて、英中銀が重要視しているとされるサービス価格のインフレ率も前年比4.4%と前回から0.6ポイントも減速。結果を受けて英利下げ余地が広がったとの思惑からポンド売りが先行したものの、1.21ドル台では下げ渋った。

 インフレ指標の1時間後にオープンした英債市場では、中・長期債が大きく反発(利回りは低下)。市場で高まっていた懸念「長期金利の急騰による借入コスト増でリーブス英財務相の財政計画が破綻」が一旦後退し、こちらがポンドの支えとなったもよう。

 もっとも、ニューヨーク時間で米長期金利の急低下を背景としたドル売りポンド買いも、1.23ドル台乗せから失速。英労働党政権による財政拡大に何ら変わりなく、英長期債への買い戻しは先週から売られ過ぎた分の調整との見方が優勢のようだ。

 本日の英11月のGDP(前月比)は3カ月ぶりにプラス回復が期待されている、鉱工業生産も前月比は上昇見込みだ。一方、同生産の前年比ではマイナス幅の拡大が予想され、この辺りを市場がどのように判断するかがポンドの方向性を決めるか。さえない結果となれば、テイラー英中銀金融政策委員会(MPC)委員が昨日言及した「予防的な利下げ」が現実味を帯びてくるだろう。

 他、欧州午後に12月12日分の欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨が公表される。今月30日の理事会に向けて、ECBメンバーから追加利下げを示唆する発言が目立っており、議事要旨がハト派に傾いたとしても驚きではない。タカ派な意見がどの程度まであったかを確認することになりそうだ。

想定レンジ上限
・ポンドドル、10日高値1.2322ドル
・ユーロドル、8日高値1.0358ドル

想定レンジ下限
・ポンドドル、14日安値1.2140ドルを割り込むと13日安値1.2100ドル
・ユーロドル、14日安値1.0239ドルを割り込むと13日安値1.0178ドル

(小針)
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