株式明日の戦略-久々の上昇も陰線が5本並ぶ、あすも大統領就任式を前に上値は重いか

 16日の日経平均は6日ぶり反発。終値は128円高の38572円。米国株の大幅高を受けて、寄り付きから200円を超える上昇。9時台半ばには鋭角的に水準を切り上げ、上げ幅を400円超に広げた。38900円台までで買いは一巡し、以降は値を消す流れがしばらく続いた。14時台後半にTSMCの決算が伝わった辺りで半導体株が売られたことから、瞬間的にマイナス圏に沈む場面もあった。しかし、その後に多くの半導体株の動きが良くなってきたことから、3桁の上昇で取引を終えた。TOPIXやグロース250指数も日経平均同様に買い先行から失速したが、これらはプラスを維持できず小幅に下落した。

 東証プライムの売買代金は概算で4兆1300億円。業種別では証券・商品先物、石油・石炭、サービスなどが上昇した一方、海運、空運、輸送用機器などが下落した。今期の大幅営業増益計画が好感された津田駒工業<6217.T>が後場急伸。半面、今期の減収・最終赤字計画が嫌気されたトゥエンティーフォーセブン<7074.T>が急落した。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり610/値下がり968。東京エレクトロンやSCREENなど半導体株の一角が終盤に強く買われて大幅上昇。古河電工が7.7%高と目を見張る動きとなった。円高進行を手がかりに、恩恵が大きいと見られているニトリHDや神戸物産が急伸。自動車株の多くが円高で嫌われる中、エンジン認証の不正問題で米当局との和解が伝わった日野自動車は9%を超える上昇となった。

 一方、円高が逆風となったトヨタや日産自動車が大幅安。商船三井など海運大手3社がそろって大きく下落した。海外での株式売り出しを発表した村田製作所が4.5%安。マネーフォワードなど前日のストップ安銘柄が一段と売り込まれており、Speeeが連日のストップ安。ロゴスHDは連日のストップ安比例配分となった。

 日経平均は6日ぶりに反発。ただ、米国株にかなり助けられた上昇で、ローソク足では5日連続で陰線を形成した。一時500円近く上昇したにもかかわらずプライムでは値下がり銘柄の方が多く、久々の上昇を好感できるような1日ではなかった。

 米国では本日、12月の小売売上高が発表される。小売指標に関しては、強ければ米国経済の好調を示唆する材料として米国株の上昇要因となる公算が大きい。ただ、週明けの20日にはトランプ氏の大統領就任式が行われる。23日~24日の日銀会合における利上げ観測もくすぶる中、あすの日本株は積極的な買い手が不在になると思われる。きょうの日経平均の終値は38572円。26週線が38355円(16日時点)に位置しており、これより上で週を終えることができるかに注目したい。
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