NY為替見通し=明朝は米金融イベント、序盤のBOC会合にも注目

 本日のNY為替市場のドル円は、トランプ米大統領による突発的な発言に警戒しながらの取引は依然として変わらず。ただ最も重要なイベントは、明朝の米連邦公開市場委員会(FOMC)声明やパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の記者会見。その前、ニューヨーク前半のカナダ中銀会合にも目を向けておきたい。

 FOMCでは、FF金利誘導目標4.25-50%の据え置きはほぼ確実視されている。ポイントは、昨年12月のドット・プロット(金利予測分布図)やCME「フェドウオッチ」が示す今年の利下げ2回(※FF金利誘導目標3.75-4.00%)への言及となる。また、2022年半ばに開始した量的金融引締政策(QT、バランスシート圧縮)の終了時期が示されるのか否かも、市場参加者は気にかけているようだ。

 先週のダボス会議でトランプ米大統領は「石油輸出国機構(OPEC)に引き下げを要請する」と述べ、「要求が通れば、FRBにただちに利下げを要請する」と表明。対内的にもエネルギー政策の転換を宣言し、原油と天然ガスの採掘の促進(ドリル・ベイビー・ドリル)とアピールしている。明朝のパウエルFRB議長の記者会見では、トランプ大統領の意図通りに原油価格が下落した場合、その利下げの余地に関する見解に気を付けておきたい。

 なお、第1次トランプ米政権で指名され、次期FRB議長の候補でもあるウォラーFRB理事は、先日「インフレの良好な数字が続けば、今年の前半に利下げがなされるのが妥当と考えるだろう。3月利下げの可能性も完全には排除しない」と述べていた。FOMCでは、ウォラーFRB理事が利下げに票を投じるのか否かにも確認が必要だろう。

 カナダ中銀(BOC)会合については、現行3.25%の政策金利を3.00%に引き下げ決定が大方の見立て。予想通りであれば、6会合連続の引き下げとなる。カナダでは、足もとのインフレが再び鈍化し、さえない経済データも目立ってきた。くわえて、トランプ関税がまもなく発動する可能性が高まっており、カナダ経済の先行き不透明感が深まっている。そういったなか、マックレムBOC総裁がどのような見解を示すか注目される。

想定レンジ上限
・ドル円の上値目処(めど)、156.30円(日足一目均衡表・基準線)
・ドル/カナダドル(CAD)、21日高値1.4516CAD

想定レンジ下限
・ドル円の下値目処(めど)は、154.24円(日足一目均衡表・雲の上限)
・ドル/カナダドル、20日安値1.4261CAD
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