株式明日の戦略-週間で日経平均は下落しTOPIXは上昇、来週は個別重視の様相が強まる

 31日の日経平均は3日続伸。終値は58円高の39572円。

 今週はAIに対する警戒が高まったことを機に、売買代金上位銘柄とそれ以外が対象的な動きをすることが多かった。週間では日経平均が0.9%安となった一方、TOPIXは1.4%高とプラスで終えており、パフォーマンスには開きがあった。動きが良かったTOPIXはきょうの高値が2795.21pまであり、節目の2800pや昨年大納会の高値2811.71pに接近している。日経平均の方は節目の4万円まではもう少し距離がある上に、この近辺では戻り売りも出やすくなる。来週はTOPIXが直近の高値を上回ることができるかに注目しておきたい。


【来週の見通し】
 一進一退か。2月相場に入り、週末7日には米国で1月雇用統計が発表される。注目の指標を前に、指数は方向感が定まらないと予想する。日本は決算発表ラッシュに突入し、東京エレクトロンなど指数寄与度の大きい銘柄の発表も予定されている。米国でもアルファベットやアマゾンなど注目度の高い銘柄が決算を発表予定で、日々の指数の振れ幅は大きくなる可能性がある。ただ、急騰する銘柄も急落する銘柄も多くなるであろうから、投資家のセンチメントは強気にも弱気にも傾きづらい。週間では水準が大きく変化しないと予想する。

【今週を振り返る】 
 軟調となった。中国新興企業DeepSeek(ディープシーク)の開発するAIが米国テック企業に脅威になるとの見方が浮上し、日経平均は27日、28日と連日で大幅安。半導体株や電線株が強烈に売り込まれた。27日の米国市場ではエヌビディアが1日で17%近い下落となった。そのエヌビディアが切り返したことから、29日は大幅上昇。30日は業績好調が確認できたアドバンテストに買いが入り、AI関連に対する過度な警戒は後退した。31日は方向感に欠ける動きとなったものの、プラスを確保。前半の下げが大きく、週間では下落した。日経平均は週間では約359円の下落となり、週足では陰線を形成した。

【来週の予定】
 国内では、日銀金融政策決定会合の主な意見(1/23~24開催分)、1月新車販売台数、1月軽自動車販売台数(2/3)、1月マネタリーベース、10年国債入札(2/4)、12月毎月勤労統計調査(2/5)、1月都心オフィス空室率、30年国債入札(2/6)、12月家計調査、12月景気動向指数(2/7)などがある。

  海外の経済指標の発表やイベントでは、中国1月財新製造業PMI、米1月ISM製造業景況指数(2/3)、米12月雇用動態調査(JOLTS)求人件数、米12月製造業新規受注(2/4)、米1月ADP雇用統計、米12月貿易収支、米1月ISM非製造業景況指数(2/5)、イングランド銀行(BOE、英中央銀行)金利発表(2/6)、米1月雇用統計、米2月ミシガン大学消費者マインド指数、米12月消費者信用残高(2/7)などがある。


(小針)
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