株式明日の戦略-大幅高で25日線を上回る、FOMCは株高イベントとなるか

 29日の日経平均は4日ぶり大幅反発。終値は397円高の39414円。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり856/値下がり742。フジメディアが商いを伴って7%を超える上昇。ソニーGが上場来高値を更新した。直近で売り込まれた半導体・電線では、アドバンテストのほか、古河電工やSCREENの動きが良かった。3Q決算が好感された東光高岳が急伸。ジオコードがリリースを材料にストップ高まで買い進まれた。

 一方、主力どころではIHIや任天堂が軟調。ローム、太陽誘電、京セラなどハイテク株の一角が売りに押された。日本郵船、商船三井、川崎汽船の海運大手3社がそろって下落。3Q決算が失望を誘った日清製粉Gが大幅安となった。

 日経平均は大幅高。序盤と終盤の動きが良く、大きく水準を切り上げた。寄った後に高く始まった半導体株や電線株が失速したが、そこで指数が大崩れしなかったことで、下値不安が大きく後退した。後場に一段高が見られたことで、終値(39414円)では25日線(39286円、29日時点)を上回った。

 本日は米国でFOMCの結果が公表される。今回は政策金利の据え置きが濃厚で、その織り込みも進んでいる。注目はパウエルFRB議長の会見となるが、直前でエヌビディアなど半導体が急落しているだけに、マーケットを不安にさせるような発言は控えるだろう。引け後にはマイクロソフト、テスラ、メタなどが決算を発表予定で、あすの東京市場ではこれらの時間外の反応を消化することになる。国内では本日引け後にアドバンテストが上方修正や増配を発表している。

 FOMCを波乱なく消化し、米主力グロース株の時間外の反応が強ければ、投資家のセンチメントは一気に強気に傾くと思われる。一方、FOMCが米国株の売り材料になってしまった場合や、米主力グロース株の時間外の反応が著しく悪かった場合には、リスク回避ムードが強まる展開も想定される。各種材料からは大型グロース株の動向が大きく注目される。あすは日経平均が改めて4万円より上を試しにいけるかどうかの分岐点となるかもしれない。

(小針)
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