株式明日の戦略-続伸もつかみどころのない1日、アップル決算やECB理事会に注目

 30日の日経平均は続伸。終値は99円高の39513円。米国株安を嫌気して、寄り付きは3桁の下落。開始早々に下げ止まり、売り一巡後は水準を切り上げたが、場中の値動きは方向感に欠けた。前場のうちにプラス圏に浮上し、後場のスタート直後には上を試しにいったが、39600円台に乗せたところで急失速。ただ、マイナス圏に沈むと改めての買いが入り、14時以降はプラス圏での小動きが続いた。

 東証プライムの売買代金は概算で4兆4900億円。業種別ではゴム製品、その他製品、空運などが上昇した一方、精密機器、その他金融、不動産などが下落した。上方修正を発表したノジマ<7419.T>が後場急騰。半面、3Q累計が減収減益となったバルカー<7995.T>が大幅に下落した。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1093/値下がり492。上方修正や増配を発表したアドバンテストが3.2%高。東京エレクトロンやディスコなど他の半導体株にも好影響が波及した。任天堂やDeNAなどゲーム株の動きが良く、決算が評価されたカプコンが買いを集めた。フジHDが全市場の売買代金3位となる大商いで大幅高。野村マイクロがリリースを材料に急伸した。

 一方、三井住友は3Qの大幅最終増益が好感されず下落。ソフトバンクG、ソニーG、リクルートなどグロース株の一角が軟調となった。キーエンス、ファナック、安川電機などFA関連がやや大きめの下落。直近で派手に上昇していたレナサイエンスが大幅高スタートから急落してストップ安と乱高下した。

 日経平均は続伸。米国株安を受けても上昇したという点では強かったが、動きが良くなりかけると値を崩すなど、つかみどころのない1日であった。決算を発表して上昇したアドバンテストも、下げて始まったり高くなったところで戻り売りに押されたりと、強気一辺倒ではなかった。

 米国では本日引け後にアップルやインテルが決算を発表予定。アップルの時間外の反応は国内電子部品株の刺激材料となる。欧州ではECB理事会が開催される。利下げがあるとみられており、その織り込みも進んでいるが、欧州株や為替に大きな動きがあれば、米国を経由して日本株にも影響が及ぶ可能性がある。国内では決算発表が本格化してくる。中国ディープシークの影響がまだ読み切れないだけに、米国株、特にナスダックにしっかりとした動きが見られるかどうかが、投資家のリスク許容度を大きく左右しそう。ナスダックがパッとしない場合は、大型グロース株からはいったん距離を置いた方が良いかもしれない。
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