NY為替見通し=米12月PCEデフレーターに要注目、トランプ発言への警戒は怠らず

 本日のNY為替市場のドル円はまず、序盤に発表される12月米PCEデフレーターを見極める展開。もちろん、トランプ米大統領による突発的な発言への警戒は怠らないようにしたい。

 米連邦公開市場委員会(FOMC)でのタカ派的据え置きを受けて、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」が示している今年の0.25%の利下げ確率は、6月(※4.00-25%)が47%程度、12月(※3.75-4.00%)が33%程度となっている。

 本日は、米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視しているPCEデフレーターの12月分が発表されるが、予想は前年比+2.6%で、11月の同比+2.4%からの上昇が見込まれている。予想通りだった場合の利下げ確率の変化、そして米中長期債利回りの動向などに注目しておきたい。

 また、先週のダボス会議では、トランプ米大統領は「中東諸国への原油価格の値下げ要求が通れば、FRBにただちに利下げを要求する」と表明し、パウエルFRB議長とは「適切な時期」に話すつもりだとも述べていた。トランプ米大統領による利下げを要請する発言、そしてドル相場に対する発言などには引き続き警戒しておきたい。

 トランプ米大統領は、明日2月1日からカナダとメキシコに対して25%の関税を課す、さらにBRICS諸国が米ドルに代わる通貨を求めるなら100%の関税を課す、と表明している。これまでの為替市場の反応は、トランプ関税による米国の物価上昇圧力からドル買いだったが、現状は、米国の物価上昇や報復関税などによる景況感悪化懸念から、リスク回避の円買い要因になりつつある。

 一方で、ベッセント米財務長官は、先日の米議会上院の公聴会で、ドル相場は関税引き上げによる貿易赤字の減少で上昇する可能性を指摘していた。

・想定レンジ上限
 ドル円の上値目処(めど)は、155.98円(1/28高値)

・想定レンジ下限
 ドル円の下値目処(めど)は、153.37円(日足一目均衡表・雲の下限)


(山下)
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