NY為替見通し=ドル円、ADP雇用データに注目

 本日、東京タイムで円買いが先行し、欧州タイムに入ってはドル売りが見られ、ドル円は152.60円台まで大きく値を下げた。トランプ関税への過度な警戒感が緩みドル買いが一服するなか、日銀の追加利上げ観測の高まりが円買いを後押し、ドル円は下方向への動きが警戒される。

 ドル円はこれまで大きく値を下げており、調整の買い戻しが入る可能性はあるものの、米経済指標の結果次第では一段と下値を広げそうだ。本日は1月ADP雇用統計や1月米ISM非製造業景況指数などの発表が予定されている。昨日は12月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数や12月米製造業新規受注が予想比下振れし、ドル売りが見られた。雇用データのさえない結果が続けば、週末に発表予定の1月雇用統計への警戒感が高まりそうだ。

 トランプ米大統領の突発的な発言で関税懸念が再燃したとしても、同材料にはドル高だけではなく、リスク回避の円買いに傾きやすくなっており、日銀の追加利上げ観測を背景にドル円は上値の重い動きが続きそうだ。12月の毎月勤労統計(現金給与総額、前年比)や実質賃金がいずれも予想より強い結果となったことや赤沢経済再生相が植田日銀総裁の「足元はインフレ状態」との認識に同調する発言をし、日銀が利上げを継続するとの見方が強まっている。

・想定レンジ上限
 ドル円、90日移動平均線153.73円や本日これまでの高値154.46円が上値めど。

・想定レンジ下限
 ドル円、昨年12月13日安値152.46円や同12日安値151.81円が下値めど。

(金)
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