ロンドン為替見通し=昨日の英MPCをもう暫く消化、ピル委員の講演に注目

 本日のロンドン為替市場では、昨日に英中銀(BOE)が公表した金融政策をもう暫く消化しながら、欧州午後(ニューヨーク序盤)の1月米雇用統計を待つことになりそうだ。

 英中銀は昨日、政策金利を市場予想通りに0.25%引き下げて4.50%とした。ただし、金融政策委員会(MPC)メンバー9人の投票行動は、決定された下げ幅に賛成が7人、残り2人は0.50%の利下げを主張していた。これを受けてポンドは売りの勢いを強めた。

 大幅引き下げに手を挙げた一人はハト派として知られるディングラMPC委員であり、「さもありなん」と言ったところ。ただ、もう一人のマンMPC委員は昨年11月の利下げ決定時に唯一「据え置き」を訴えた委員だ。昨夏に英中銀が金利を引き下げたときも反対している。こちらは市場にとっては結構なサプライズと言えるだろう。

 ただし金融政策の公表後にベイリーBOE総裁は、「意見が割れたMPCの投票は意思表示のツールではない」と述べ、追加利下げを早々と織り込もうとする市場をけん制。同総裁は市場参加者に対し、「議事要旨を注意深く読むように促したい」とも述べ、MPC内で様々な意見が出たことを指摘している。

 政策金利と同時に明らかにされた金融政策報告書では、1年後のインフレは3.0%まで上昇と前回から0.3%引き上げている。そういったことも踏まえて、今後3年間で2回の追加利下げしか当局は想定していないようだ。

 今回の英中銀MPCは結局タカ派的だったという見方もあり、今後の金融当局者の発言次第ではポンドショートの巻き戻しが進むかもしれない。そういった意味でも、本日の欧州昼過ぎに予定されている英中銀チーフエコノミストでもあるピルMPC委員の講演に注目したい。

想定レンジ上限
・ポンドドル、5日高値1.2550ドル
・ユーロドル、1月30日高値1.0467ドル

想定レンジ下限
・ポンドドル、日足一目均衡表・基準線1.2338ドル
・ユーロドル、4日安値1.0272ドル


(小針)
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