株式明日の戦略-売りをこなしてプラス転換、新興市場の活況がリスク許容度を高めるか

 10日の日経平均は反発。終値は14円高の38801円。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり812/値下がり778。スマホゲーム「ポケポケ」の業績貢献が確認できたDeNAや上方修正を発表した太陽誘電がストップ高。レオス・キャピタルワークスの大株主浮上が判明したフジHDが大幅高となり、レオスを傘下に持つSBIレオスひふみにも思惑買いが入った。川崎重工やIHIなど防衛関連の一角が商いを伴って大幅上昇。15時に上方修正と増配を発表したフジクラが発表後に一段高となり、7%を超える上昇で高値引けした。

 一方、三菱重工は防衛株買いの流れに乗れず下落。米国では10年債利回りが大きく上昇したが、三菱UFJや三井住友など銀行株は下落銘柄が多かった。金利上昇が逆風となる不動産株は売られており、三菱地所は決算を受けて買いが先行したもののマイナス圏に沈んだ。3Q最終減益のシュッピンや通期の利益見通しを引き下げた不二製油が急落。タムロンは1:4の分割、株主還元方針の変更、自己株取得、中計の上方修正などを発表したものの、12.8%安と大きく崩れた。

 日経平均は小幅高。序盤で下げていた際にも底堅さは感じられたが、しっかりプラスを確保した。石破首相とトランプ大統領との首脳会談が友好ムードであったことが、プラス転換に貢献したと考えられる。トランプ大統領は「相互関税」の導入に言及し、グローバルでは関税を材料にディールを進める姿勢を改めて示している。しかし、現時点では日本に対する風当たりはそれほど強くならないだろう。

 足元でグロース250指数の動きが良くなっているが、中小型株が買われるようになってくると、大型株の手がけづらさが意識される場面でも日本株の中で資金が循環しやすくなる。この先、石破首相の評価が上がるようであれば、国策絡みで注目度が高まる銘柄も増えてくると思われる。新興銘柄は昨年は嫌われ続けただけに、深掘り余地は大きい。新興市場の活況が投資家のリスク許容度を高め、日本株全体にも好影響を及ぼす展開に期待したい。

(小針)
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