株式明日の戦略-39000円より上が重い、あすは様子見姿勢が強まるか

 5日の日経平均は続伸。終値は33円高の38831円。米国株高を受けて3桁上昇スタートとなり、序盤では上げ幅を300円超に広げた。しかし、39100円台で頭打ちとなって9時台半ば以降は失速。マイナス圏に沈んで前引け間際には下げ幅を3桁に広げた。後場はプラス圏とマイナス圏を行き来する展開。前場で売りは一巡したものの、プラス転換して上げ幅を広げると上値が重くなった。引けまで方向感が定まらなかったが、終値ではプラスを確保した。

 東証プライムの売買代金は概算で4兆7800億円。業種別では海運、その他製品、輸送用機器などが上昇した一方、医薬品、空運、陸運などが下落した。上方修正を発表したトヨタ<7203.T>が後場に買われて3.1%高。発表直後には下げる場面もあったが、切り返して上げ幅を広げた。半面、3Q累計で減益となったコムチュア<3844.T>が急落した。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり940/値下がり645。ホンダが商いを伴って8.2%高。日産自動車との経営統合が破談になるとの観測が好材料と捉えられており、後場には日産が基本合意書を撤回するとの観測が出てきて一段高となった。通期の売上高見通しを引き下げたものの、事業再編への期待が高まったパナソニックが13.7%高。上方修正、期末配当見通しの大幅引き上げ、自己株取得を発表したバンナムHDが13.7%高と、リリースが好感された銘柄が急伸した。海運大手の日本郵船、川崎汽船が好決算を発表して大幅高となった。

 一方、日産自動車は統合破談観測を受けては買われていたが、合意書撤回観測を受けて後場に急落。その後、売買停止となった。ディスコ、レーザーテック、アドバンテストなど半導体株が軟調。3Q大幅増益の三菱UFJは買われる場面もあったが下落で終えた。横河電機やBIPROGYが決算を受けて大幅安。3Q累計で減収減益となったイビデンがストップ安となった。

 グロース市場に技術承継機構が新規上場。高い初値をつけた後も買いが続き、ストップ高で終えた。

 日経平均は乱高下してほぼ横ばいで終了。ただ、高寄り失速となったことで、ローソク足では陰線を形成した。きのうときょうは序盤はかなり強かったものの、買いの勢いが続かなかった。また、両日ともわかりやすく39000円を超えると上値が重くなった。あすは引け後に東京エレクトロンが決算を発表予定。日経平均への影響が大きい銘柄だけに、全体では発表を前に様子見姿勢が強まりそう。きょうの終値(38831円)近辺に52週線(38775円)や26週線(38724円)などテクニカルの節目が位置しているだけに、これらを意識した動きが見られるかに注目したい。
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