株式明日の戦略-円安を好感して大幅高、米長期金利の上昇には一定の警戒を

 13日の日経平均は大幅に3日続伸。終値は497円高の39461円。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1260/値下がり337。ファーストリテイリングが3%近い上昇。アドバンテスト、IHI、DeNAなどの動きが良かったほか、第一三共や東レなど直近で売られた銘柄に見直し買いが入った。安藤ハザマや奥村組など建設株が決算を受けて急伸。前期の着地、今期の見通しともに大幅営業増益となった三井海洋開発が後場に買いを集めてストップ高となった。

 一方、ソフトバンクGやリクルートHDが決算を受けて大幅安。古河電工は上方修正や増配を発表したものの期待も相応に高かっただけに、買い先行から急失速して5%を超える下落となった。ニトリは決算が市場の期待に届かなかった上に円安進行もネガティブに作用して8%を超える下落。通期見通し据え置きが嫌気されたタカラトミーや下方修正を発表した日揮HDが2桁の下落率となった。

 日経平均は大幅高。NISAの日(2月13日)日に買い意欲が刺激されたか、終値(39461円)で39000円を大きく上回った。12日の米国で長期金利が上昇したにもかかわらず金利に敏感なナスダックがプラスで終えたことから、日本株は米金利上昇に伴う円安(ドル高)の恩恵を存分に享受することができた。

 きょうは出来すぎの感があり、目先は反動にも注意を払う必要がある。12日の米国株は長期金利の上昇に耐性を示したが、本日13日には1月生産者物価指数(PPI)、14日には1月小売売上高が発表される。これらがすべて強かった場合、米長期金利の上昇に勢いがつきすぎて、米国株が大きく崩れるリスクがある。逆に、小売売上高が著しく弱かった場合などは、粘着質なインフレの影響で米国の景気悪化に対する警戒が浮上する展開も想定される。米10年債利回りの絶対水準が高いことは、株式にとって決して良い環境ではない。


(小針)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。