NY為替見通し=ドル円、金利先高観が保たれるか注視 序盤に1月米PPIの発表

 本日のニューヨーク為替市場でドル円は、昨日強まった金利先高観がどの程度まで保たれるか注視しながらの取引か。経済指標は序盤に1月米卸売物価指数(PPI)と週間の失業保険データが発表され、午後には米30年債の入札が予定されている。

 昨日は、1月米消費者物価指数(CPI)が予想を上回ったことを受けて米・中長期金利が上昇。またパウエル米連邦準備理事会(FRB)は議会証言で、関税のために政策金利変更を余儀なくされる可能性について言及し、追加利下げの後ずれを市場に意識させた。

 CPI発表後にドル円は日足一目均衡表・雲の中で上値を試し、154円後半まで大きく上げ幅を広げた。しかしながら、154.90円に位置する一目・基準線の手前では伸び悩んでいる。本日もアジア時間では昨日高値に届かず、米長期金利の上昇が一服すると154円割れまで失速する場面があった。

 ここから昨日高値や基準線そして155円台を目指すには、やはり米金利上昇という後押しが必要だろう。そうなると1月米PPIの上振れや、強い新規失業保険件数が条件となる。逆に期待に届かない指標結果となれば、一目・雲の下限153.60円辺りが意識されそうだ。

 なお昨日は、トランプ米大統領とプーチン露大統領が電話会談し、ウクライナ戦争の終結に向けた交渉開始で合意したことが報じられた。ただし、これまでのプーチン氏の行動を振り返ると、ウクライナに対して簡単に譲歩するとは到底思えない。地政学リスクの改善に繋がるかは、ゼレンスキ―・ウクライナ大統領次第か。単純にリスクオンとも考え難く、実際に欧州序盤にはユーロスイスフランは売り戻されている。

想定レンジ上限
ドル円、日足一目均衡表・基準線154.90円

想定レンジ下限
・ドル円、日足一目均衡表・雲の下限153.60円

(小針)
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