NY株見通し-今週は関税問題と利下げ見通しに注目

 今週のNY市場は関税問題と利下げ見通しに注目。先週はダウ平均が0.55%高と反発し、S&P500が1.47%高、ナスダック総合が2.58%高とともに3週ぶりに反発した。週初にトランプ米大統領が鉄鋼やアルミなどの輸入品に25%の関税を課すとしたほか、相互関税の導入の意向を示したが、即時発効が見送られたことで過度な警戒感は強まらなかった。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が議会証言で利下げを急く必要がないとしたことや、米1月消費者物価指数(CPI)や米1月生産者物価指数(PPI)が予想を上回る伸びとなったものの、FRBが重視する個人消費支出(PCE)価格指数の低下の可能性を示唆する内容と受けとめられ米10年債利回りが低下したことも米株の支援となった。米10年債利回りは前週末の4.487%から一時4.66%台まで上昇したが、4.478%で終了し、週間で小幅に低下した。S&P500の11セクターはヘルスケアと金融を除く9セクターが週間で上昇。エヌビディアが週間で6.94%高となり、ITが3.76%高となったほか、コミュニケーション、素材、生活必需品、エネルギー、公益も1%超上昇した。センチメントは改善。投資家の不安心理を示すVIX指数は前週末の16.54ポイントから14.77ポイントに低下し、昨年12月26日以来の低水準となった。

 今週は月曜日がプレジデンツデーの祝日で休場となるが、主要3指数が史上最高値に接近する中、トランプ政権の関税政策や利下げ見通しなどをにらんだ神経質な展開となりそうだ。トランプ関税は即時発効が見送られたことで警戒感が和らいでいるものの、引き続き不透明要因となりそうだ。利下げ見通しを巡っては先週の米1月生産者物価指数(PPI)の結果を受けて2月28日に発表される1月個人消費支出(PCE)価格指数が低下するとの見方が強まり、米10年債利回りの低下につながった。今週は2月NY連銀製造業業況指数、1月住宅着工件数、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨、新規失業保険申請件数、1月中古住宅販売件数などが発表予定で、指標結果を受けた米10年債利回りの動向に引き続き要注目となる。決算発表はメドトロニック、アナログ・デバイセズ、ウォルマート、ハズブロなどS&P500採用の40銘柄強が発表予定。

 今晩の経済指標・イベントは2月NY連銀製造業業況指数、2月NAHB住宅市場指数など。企業決算は寄り前にメドトロニック、引け後にオキシデンタル・ペトロリアム、アリスタ・ネットワークスなどが発表予定。(執筆:2月18日、14:00)
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