NYマーケットダイジェスト・21日 株安・金利低下・原油安・円高

(21日終値)
ドル・円相場:1ドル=149.27円(前営業日比▲0.37円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=156.15円(▲1.01円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0458ドル(▲0.0043ドル)
ダウ工業株30種平均:43428.02ドル(▲748.63ドル)
ナスダック総合株価指数:19524.01(▲438.35)
10年物米国債利回り:4.43%(▲0.07%)
WTI原油先物4月限:1バレル=70.40ドル(▲2.08ドル)
金先物4月限:1トロイオンス=2953.2ドル(▲2.9ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)
       <発表値>   <前回発表値>
2月米製造業PMI速報値
        51.6       51.2
2月米サービス部門PMI速報値
        49.7       52.9
2月米総合PMI速報値
        50.4       52.7
2月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値)
        64.7       67.8
1月米中古住宅販売件数
(前月比)   ▲4.9%    2.9%・改
(年率換算件数)408万件   429万件・改

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は3日続落。2月米製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は51.6と予想の51.5を若干上回ったものの、サービス部門PMI速報値が49.7と予想の53.0を大幅に下回り、好不況の分岐点とされる50を割り込んだため、米長期金利の低下とともに全般ドル売りが先行。その後発表の2月米消費者態度指数(ミシガン大調べ)確報値と1月米中古住宅販売件数も予想より弱い内容だったことが分かりドル売りを促した。
 また、低調な米経済指標を受けて米景気の先行き懸念が広がると、米株式市場でダウ平均が一時820ドル超下落。ナイト・セッションの日経平均先物も大証終値比740円安の3万8050円まで急落し、リスク・オフの円買いを誘った。アジア時間の安値149.29円を下抜けると、一時148.93円と昨年12月3日以来約2カ月半ぶりの安値を更新した。
 なお、米国株の急落について市場では「中国でパンデミックの可能性がある新たなコロナウイルスが見つかり、株価急落につながった」「オプション満期による一時的なポジション整理が大半。機械的な売りが主因」との声も聞かれた。

・ユーロドルは反落。低調な米経済指標をきっかけにユーロ買い・ドル売りが先行すると一時1.0493ドル付近まで値を戻す場面もあったが、米関税政策への警戒感やウクライナ情勢の不透明感は根強く上値は限定的だった。米国株の下落を背景にリスク・オフのドル買いが優勢になると、一時1.0449ドルと日通し安値を更新した。

・ユーロ円は3日続落。日米株価指数の下落を背景にリスク回避の円買いが優勢となった。アジア時間の安値156.84円や前日の安値156.32円を下抜けて一時155.82円と10日以来の安値を更新した。
 ユーロ円以外のクロス円も軟調だった。ポンド円は一時188.15円、豪ドル円は94.65円、NZドル円は85.46円、カナダドル円は104.67円、南アフリカランド円は8.11円、メキシコペソ円は7.29円まで値を下げた。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は大幅に続落。本日発表の米経済指標が軒並み低調な結果となり、景気減速を警戒した売りが広がった。「請求業務巡り司法省が調査中」との報道が伝わったユナイテッドヘルス・グループが急落し、1銘柄でダウ平均を200ドル近く押し下げた。
 市場では「中国でパンデミックの可能性がある新たなコロナウイルスが見つかり、株価急落につながった」「オプション満期による一時的なポジション整理が大半。機械的な売りが主因」との声も聞かれた。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も大幅続落。

・米国債券相場で長期ゾーンは3日続伸。低調な米経済指標を受けて米景気の先行き懸念が広がると、米国株相場が大幅に下落。相対的に安全資産とされる米国債に買いが入った。

・原油先物相場は下落。18日にロシアのパイプラインが攻撃されたが原油供給に影響を与えていないことが分かったほか、弱い米指標を受けて米景気に対する不透明感もあり、需給引き締まり観測が後退すると、売りが優勢となった。米株の大幅安によるリスク回避の動きもまた、原油相場の重しとなった。

・金先物相場は反落。前日に史上最高値を更新した直後ということもあり利益確定売りが出やすかった。ただ、弱い米指標が相次いだことを受けて米長期金利が低下すると、金利を生まない金の投資妙味が増してプラスに転じる場面も見られた。

(中村)
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