ロンドン為替見通し=ユーロドル、ウクライナ停戦期待から底堅い展開か

 本日のロンドン為替市場のユーロドルは、トランプ関税への警戒感は残されているものの、ウクライナ停戦協議への楽観的な見方が強まりつつあることで、底堅い展開が予想される。

 トランプ米大統領は、先日のマクロン仏大統領との首脳会談の後、ウクライナ戦争終結に向けてのさらなる一歩となった、と楽観的な見解を示した。
 そして、昨日は、28日にウクライナのゼレンスキー大統領が訪米して、米国による安全保障支援の継続に向けたレアアース(希土類)などの資源権益の協定案に署名する見通し、と報じられている。

 また、25日にはスターマー英首相とマクロン仏大統領が電話会談し、「ウクライナの恒久的な和平に向けたアメリカのトランプ大統領のリーダーシップを歓迎する」ことで一致している。

 ユーロドルは、トランプ関税や北大西洋条約機構(NATO)拠出金への警戒感や3月欧州中央銀行(ECB)理事会での追加利下げ観測などの売り材料があるものの、ウクライナ停戦合意への期待感という買い材料で買い戻しが優勢な展開となりつつある。
 さらに、米10年債利回りが低下基調にあることもユーロ買い要因となっている。

 本日は、3月独消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:▲21.4)や2月仏消費者信頼感指数(予想:93)などで、独仏の消費者レベルの景況感を確認することになる。

 本日講演が予定されているMPCで最もハト派のディングラ英中銀金融政策委員会(MPC)委員は、先日のイングランド銀行金融政策委員会(MPC)では4.25%への利下げを主張しており、本日も追加利下げの必要性を主張することが見込まれている。


想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0630ドル(2024/12/6高値)
・ユーロ円:158.04円(日足一目均衡表・転換線)
・ポンドドル:1.2787ドル(200日移動平均線)
・ポンド円:190.33円(日足一目均衡表・転換線)

想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0465ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ユーロ円:155.82円(2/21安値)
・ポンドドル:1.2563ドル(2/19安値)
・ポンド円:187.26円(2/11安値)


(山下)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。