ロンドン為替見通し=ユーロドル、ECB理事会に関心集中 南アでも政策金利発表

 本日は欧州で多数の経済イベントが予定されているが、その中で最も注目されるのは、欧州中銀(ECB)理事会だろう。

 今回のECB理事会について、市場予想は政策金利を0.25%引き下げて2.90%にすると見られている。金利先物市場では今年末のECBの政策金利について、0.25%の利下げが今回を除いて約3回織り込まれる水準となる中、声明やラガルドECB総裁会見でどのような見通しが示されるか注目したい。

 また、ラガルドECB総裁は前回の会見でインフレ抑制について、中期的には2%の物価目標に向けて順調に進んでいるとの見方を示した。今回も緩和的な金融政策の継続を示唆することがあれば、当面の金利据え置き観測が浮上している米国との金融政策の方向性の違いが、ユーロドルの重しとなる事も考えられる。

 ただし、前回の声明で「特定の金利経路を事前にコミットしない」としたように、今後の金融政策についての言質を与えないことも考えられる。そのほかトランプ米大統領が就任したことで、関税や政策を通した欧州経済への影響についての言及があるかも気になる。

 ECB理事会の前に、仏・独・ユーロ圏で10-12月期国内総生産(GDP)速報値の発表も予定されている。今回はECB理事会の陰に隠れてしまいがちだが、ユーロ圏の景況感を推し量る上で結果は確認しておきたいところ。市場予想は前期比で仏が±0.0%、独は-0.1%、ユーロ圏は+0.1%と、いずれも6-9月期からの減速が見込まれている。

 他方、南アフリカでも金融政策の発表を控えている。市場予想は政策金利を0.25%引き下げて7.50%にすると見られている。同国の消費者物価指数は、12月こそ+3.0%となったが、10・11月と南ア準備銀行(SARB)の目標レンジ(3-6%)を下回っていた。今後の金融政策の行方について言及があれば材料視されそうだ。そのほか、トランプ政権の政策による南ア経済への影響について言及があるか気になるところだ。


想定レンジ上限
・ユーロドル:ピボット・レジスタンス2の1.0477ドル。超えると27日高値1.0533ドル
・ランド円:日足一目均衡表・雲の下限8.45円

想定レンジ下限
・ユーロドル:日足・一目均衡表の基準線1.0356ドル。割り込むと14日安値1.0239ドル
・ランド円:27日安値8.22円


(川畑)
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