株式明日の戦略-方向感に欠けるも3桁上昇、もう一段の戻りは見られるか

 27日の日経平均は3日ぶり反発。終値は113円高の38256円。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1222/値下がり380。前日強い動きを見せたフジクラが商いを伴って連日で大幅上昇。半導体株の一角が強く、キオクシアやソシオネクストが2桁の上昇率となった。社長退任観測が報じられた日産自動車が、再建交渉の進展期待から大幅上昇。トヨタ、SUBARU、スズキなど自動車株には強く買われる銘柄が多かった。防衛省から大型契約を獲得したと発表したアストロスケールがストップ高。セブン&アイの買収提案に関する検討を終了したと発表した伊藤忠が4%を超える上昇となった。

 一方、セブン&アイは11.7%安と派手に下げた。半導体株は強弱まちまちとなっており、エヌビディア決算を前に前日期待買いが入っていたアドバンテストが強めに売られた。柏崎刈羽原発に関するニュースを材料に東電HDが4%を超える下落。今期は最終赤字に転落する見込みとなった栃木銀行が急落した。

 日経平均は3日ぶり反発。今週はエヌビディアの決算が注目を集めるスケジュールであったが、決算発表後のエヌビディアの時間外の反応が小動きであっただけに、方向感が定まらなかった。本日の米国市場でエヌビディアがどう動くかが注目されるが、決算自体は良好であっただけに、仮に米国株が下げたとしても、あすの日本株は冷静に対応すると考える。なお、米国の26日引け後にはエヌビディアだけでなくセールスフォースも決算を発表しており、こちらは時間外で大幅安。ダウ平均構成銘柄でもあり、米国株はこちらの反応を嫌気するかもしれない。

 現状では日本株を積極的に買う理由は見当たらないものの、日経平均はこれまで同様に38000円近辺では底堅くなってきた。ドル円の150円割れは気になるものの、今のところ円高加速とまではなっておらず、底割れに対する懸念は和らぎつつある。あすは大崩れしないことが重要となるが、その上で、5日線(38418円、27日時点)辺りまで水準を切り上げる動きが見られるかに注目したい。

(小針)
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