欧州マーケットダイジェスト・11日 株安・金利上昇・ユーロ高
(11日終値:12日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=147.17円(11日15時時点比▲0.04円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=160.92円(△1.36円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0934ドル(△0.0095ドル)
FTSE100種総合株価指数:8495.99(前営業日比▲104.23)
ドイツ株式指数(DAX):22328.77(▲292.18)
10年物英国債利回り:4.674%(△0.030%)
10年物独国債利回り:2.897%(△0.064%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ユーロドルはしっかり。ドイツの環境政党「緑の党」のブラントナー共同党首が「キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)と防衛費を巡って交渉の用意がある。週内にも合意の可能性」との見解を示すと、独財政拡大策を巡る交渉成立への期待感が高まりユーロ買いが先行。前日の高値1.0875ドルや7日の高値1.0889ドルを上抜けて一時1.0931ドルまで値を上げた。
その後発表の1月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数が774.0万件と予想の763.0万件を上回ったことが分かると全般ドル買いが入り、1.0895ドル付近まで伸び悩む場面もあったが、下押しは限定的だった。
NY午後に入ると、「ウクライナは米国が提案した30日間の一時停戦を受け入れる用意がある」との報道が伝わった。ウクライナ情勢を巡る懸念が和らぐと全般ユーロ買いが活発化し、一時1.0947ドルと昨年10月11日以来5カ月ぶりの高値を更新した。
なお、ウクライナは「米国と天然資源取引で近く合意へ」「米国は情報共有と安全保障の支援再開に合意」との声明を発表した。
・ドル円は上値が重かった。ナイト・セッションの日経平均先物や欧州株相場が上昇して始まると、投資家の過度なリスク回避姿勢が和らぎ円売り・ドル買いが先行した。投機筋の円ロング(ドル円のショート)ポジションの偏りを警戒する向きが増える中、ショートカバーも進み、22時過ぎに一時148.11円と日通し高値を付けた。
ただ、そのあとは上値の重さが目立った。23時発表の米雇用指標は予想より強い内容となったものの、トランプ米大統領がカナダ産鉄鋼・アルミニウムの輸入関税を25%から50%に引き上げるよう商務長官に指示したと明らかにすると、米国株相場が下落。リスク回避の円買い・ドル売りが入り、147.03円付近まで下押しした。
・ユーロ円は底堅い動き。ドイツで財政出動が早期に実現するとの期待が投資家心理を支え、23時前に一時161.73円まで値を上げた。ただ、トランプ米政権による関税政策などを背景に米景気懸念が一段と高まると米国株相場が軟調に推移。投資家がリスク回避姿勢を強め円買い・ユーロ売りが入り、160.63円付近まで伸び悩む場面があった。
もっとも、ウクライナが米国提案の停戦案に前向きとの報道が伝わると再び強含んだ。3時30分前には一時161.79円と日通し高値を更新した。
・カナダドルはトランプ米大統領がカナダへの関税強化を表明したことを受けて全面安の展開となった。対米ドルでは一時1.4521カナダドル、対ユーロでは1.5857カナダドル、対円では101.38円まで下落した。
・ロンドン株式相場は6日続落。米国の関税政策や経済の先行き不透明感を背景に前日の米国株相場が下落すると、英株にも売りが波及した。ハルマやセイジ・グループなど情報技術セクターが売られたほか、アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が値下がりした。
・フランクフルト株式相場は3日続落。財政出動が早期に実現するとの期待から買いが入り、序盤はプラス圏で推移する場面もあったが、米関税政策への警戒は根強く終盤失速した。個別ではヘンケル(10.36%安)やダイムラー・トラック・ホールディング(5.34%安)、BASF(4.01%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は下落。国防費増強に向けた財政拡大観測で独国債が売られた。
(中村)
ドル・円相場:1ドル=147.17円(11日15時時点比▲0.04円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=160.92円(△1.36円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0934ドル(△0.0095ドル)
FTSE100種総合株価指数:8495.99(前営業日比▲104.23)
ドイツ株式指数(DAX):22328.77(▲292.18)
10年物英国債利回り:4.674%(△0.030%)
10年物独国債利回り:2.897%(△0.064%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ユーロドルはしっかり。ドイツの環境政党「緑の党」のブラントナー共同党首が「キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)と防衛費を巡って交渉の用意がある。週内にも合意の可能性」との見解を示すと、独財政拡大策を巡る交渉成立への期待感が高まりユーロ買いが先行。前日の高値1.0875ドルや7日の高値1.0889ドルを上抜けて一時1.0931ドルまで値を上げた。
その後発表の1月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数が774.0万件と予想の763.0万件を上回ったことが分かると全般ドル買いが入り、1.0895ドル付近まで伸び悩む場面もあったが、下押しは限定的だった。
NY午後に入ると、「ウクライナは米国が提案した30日間の一時停戦を受け入れる用意がある」との報道が伝わった。ウクライナ情勢を巡る懸念が和らぐと全般ユーロ買いが活発化し、一時1.0947ドルと昨年10月11日以来5カ月ぶりの高値を更新した。
なお、ウクライナは「米国と天然資源取引で近く合意へ」「米国は情報共有と安全保障の支援再開に合意」との声明を発表した。
・ドル円は上値が重かった。ナイト・セッションの日経平均先物や欧州株相場が上昇して始まると、投資家の過度なリスク回避姿勢が和らぎ円売り・ドル買いが先行した。投機筋の円ロング(ドル円のショート)ポジションの偏りを警戒する向きが増える中、ショートカバーも進み、22時過ぎに一時148.11円と日通し高値を付けた。
ただ、そのあとは上値の重さが目立った。23時発表の米雇用指標は予想より強い内容となったものの、トランプ米大統領がカナダ産鉄鋼・アルミニウムの輸入関税を25%から50%に引き上げるよう商務長官に指示したと明らかにすると、米国株相場が下落。リスク回避の円買い・ドル売りが入り、147.03円付近まで下押しした。
・ユーロ円は底堅い動き。ドイツで財政出動が早期に実現するとの期待が投資家心理を支え、23時前に一時161.73円まで値を上げた。ただ、トランプ米政権による関税政策などを背景に米景気懸念が一段と高まると米国株相場が軟調に推移。投資家がリスク回避姿勢を強め円買い・ユーロ売りが入り、160.63円付近まで伸び悩む場面があった。
もっとも、ウクライナが米国提案の停戦案に前向きとの報道が伝わると再び強含んだ。3時30分前には一時161.79円と日通し高値を更新した。
・カナダドルはトランプ米大統領がカナダへの関税強化を表明したことを受けて全面安の展開となった。対米ドルでは一時1.4521カナダドル、対ユーロでは1.5857カナダドル、対円では101.38円まで下落した。
・ロンドン株式相場は6日続落。米国の関税政策や経済の先行き不透明感を背景に前日の米国株相場が下落すると、英株にも売りが波及した。ハルマやセイジ・グループなど情報技術セクターが売られたほか、アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が値下がりした。
・フランクフルト株式相場は3日続落。財政出動が早期に実現するとの期待から買いが入り、序盤はプラス圏で推移する場面もあったが、米関税政策への警戒は根強く終盤失速した。個別ではヘンケル(10.36%安)やダイムラー・トラック・ホールディング(5.34%安)、BASF(4.01%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は下落。国防費増強に向けた財政拡大観測で独国債が売られた。
(中村)