欧州マーケットダイジェスト・12日 株高・ユーロ高・円下げ渋り

(12日終値:13日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=148.12円(12日15時時点比△0.07円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.55円(△0.13円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0906ドル(△0.0003ドル)
FTSE100種総合株価指数:8540.97(前営業日比△44.98)
ドイツ株式指数(DAX):22676.41(△347.64)
10年物英国債利回り:4.722%(△0.048%)
10年物独国債利回り:2.877%(▲0.020%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)
特になし

(各市場の動き)
・ユーロドルは底堅い動き。米国が提案した30日間の停戦案をウクライナが受け入れると、ウクライナ情勢を巡る懸念が緩和。欧州株相場の上昇とともにユーロ買い・ドル売りが先行した。NY市場に入り、2月米消費者物価指数(CPI)が予想を下回ったことが分かると全般ドル売りで反応し、一時1.0930ドルと日通し高値を付けた。
 ただ、前日に付けた5カ月ぶりの高値1.0947ドルが目先レジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いも出て、23時前に一時1.0876ドルと日通し安値を付けた。
 もっとも、売り一巡後は再び強含む展開に。1時30分前には1.0928ドル付近まで値を戻している。

・ドル円は上値が重かった。欧州株相場や日経平均先物の上昇などを手掛かりに円売り・ドル買いが先行。米CPIの下振れをきっかけに一時148.18円付近まで売られたものの、148円台は維持した。22時前には149.19円と日通し高値を付けた。
 ただ、買い一巡後は再び上値が重くなった。トランプ米政権による関税政策などを背景に米景気懸念が一段と高まる中、一時280ドル超上昇したダウ平均が失速し、420ドル超下落するとドル円にも売りが出た。3時過ぎには一時148.11円付近まで下押しした。
 なお、欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は本日、すべての国からの鉄鋼・アルミニウム製品に25%の追加関税を課した米国に対抗措置を取ると表明。これを受けて、トランプ米大統領は「EUの対抗関税に対抗する」と発言した。
 また、カナダ政府は米国産の鉄鋼とアルミニウムに関税を課すと発表。トランプ関税への報復措置であり、米加貿易摩擦激化への懸念は依然として強い。

・ユーロ円も上値が重かった。欧州株高を背景に円売り・ユーロ買いが先行すると一時162.36円と日通し高値を付けたものの、買い一巡後は徐々に上値が重くなった。3時過ぎには161.55円付近まで下押しした。

・ロンドン株式相場は7日ぶりに反発。ウクライナが米国の示した停戦案を受け入れたことをきっかけに、地政学リスクへの懸念が後退し買いが入った。足もとで相場下落が続いたあとだけに、自律反発狙いの買いも入りやすかった。ロールス・ロイス・ホールディングスやレレックスなど資本財サービス株が買われたほか、バークレイズなど金融株が値上がりした。

・フランクフルト株式相場は4日ぶりに反発。米国が提案した30日間の停戦案をウクライナが受け入れると、ウクライナ情勢を巡る懸念が和らいだ。前日までに3日続落した反動で短期的な戻りを期待した買いも入った。個別ではラインメタル(9.62%高)やシーメンス・エナジー(8.97%高)、ザルトリウス(5.08%高)などの上昇が目立った。

・欧州債券相場は英国債が下落した一方、独国債が上昇した。

(中村)
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