週間為替展望(ドル/ユーロ)-日米両中銀トップの会見に注目
◆ドル円、米関税政策に伴う株価動向に左右
◆日銀総裁、FRB議長の記者会見の内容に注目
◆ユーロドル、独財政拡張期待が支えもウクライナ情勢が重し
予想レンジ
ドル円 145.00-150.00円
ユーロドル 1.0650-1.1000ドル
3月17日週の展望
ドル円は、引き続き米関税政策を発端とした米景気後退懸念が高まる中で、株価や米金利動向を睨みながらの荒い値動きが想定される。3月に入ってから世界的な貿易戦争への警戒感からダウ平均は7%超、ナスダック指数は9%近く下落するなどリスクオフムードが広がっている。来週もトランプ米大統領の発言を巡って一喜一憂する相場展開となるだろう。
なお、来週は18-19日に日銀金融政策決定会合と米連邦公開市場委員会(FOMC)が予定されているが、米関税政策の行方を見極めたいとの見方から両会合とも政策金利の据え置きが予想されている。注目は植田日銀総裁とパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の会見内容となるだろう。
まず、日銀に関しては、連合が発表した春闘の賃上げ要求が32年ぶりに6%を超えたことで早期利上げ観測が高まっている。また、本邦長期金利は2008年10月以来の水準まで上昇しており、その背景としては日銀総裁が市場との対話に失敗していることで政策金利の最終到達地点(ターミナルレート)が不確かになっていることも挙げられる。賃上げ要求、ターミナルレートについて総裁からどのような見解が示されるか注目したい。なお、今のところ、市場では日銀の利上げ時期は6月と予想する向きが多くなってきた。
また、FOMCについては四半期に一度の「経済・金利見通し」を確認する必要があるが、現時点では6月会合での利下げ、そして年内計3回の利下げというのが大方の予想となっている。FRB議長は、基本的には米関税政策の影響を見極めながら「今後のデータ次第」という慎重な姿勢を強調するとみられているが、足元で米株安が目立つ中で発言に変化がないか注意したい。
ユーロドルは神経質な展開が想定される。ドイツ環境政党「緑の党」との交渉次第ではあるものの、ドイツの財政拡張期待は根強く、引き続き下値は堅そうだ。ただ、米国が提案したウクライナでの停戦案についてプーチン露大統領が疑問を呈し、即時停戦受け入れに難色を示したことで再び地政学リスクが高まっており、上値も限られそうだ。来週は18日に3月独ZEW景況感指数、19日に2月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値が予定されている。
3月10日週の回顧
ドル円は、上値が重かった。世界的な貿易戦争を懸念して株安が進むと、11日には一時146.54円と昨年10月以来の安値を付けた。その後は株価とともに短期的な戻りを期待した買い戻しが入り149.19円まで切り返したが、米国株が再び下落すると147円台半ばまで押し戻された。
ユーロドルは上値が重かった。独財政拡張への期待感やウクライナを巡る警戒感後退で一時1.0947ドルと5カ月ぶりの高値を付けた。ただ、週末にかけては米関税およびウクライナ情勢への懸念が再燃すると1.08ドル台前半まで押し戻された。(了)
◆日銀総裁、FRB議長の記者会見の内容に注目
◆ユーロドル、独財政拡張期待が支えもウクライナ情勢が重し
予想レンジ
ドル円 145.00-150.00円
ユーロドル 1.0650-1.1000ドル
3月17日週の展望
ドル円は、引き続き米関税政策を発端とした米景気後退懸念が高まる中で、株価や米金利動向を睨みながらの荒い値動きが想定される。3月に入ってから世界的な貿易戦争への警戒感からダウ平均は7%超、ナスダック指数は9%近く下落するなどリスクオフムードが広がっている。来週もトランプ米大統領の発言を巡って一喜一憂する相場展開となるだろう。
なお、来週は18-19日に日銀金融政策決定会合と米連邦公開市場委員会(FOMC)が予定されているが、米関税政策の行方を見極めたいとの見方から両会合とも政策金利の据え置きが予想されている。注目は植田日銀総裁とパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の会見内容となるだろう。
まず、日銀に関しては、連合が発表した春闘の賃上げ要求が32年ぶりに6%を超えたことで早期利上げ観測が高まっている。また、本邦長期金利は2008年10月以来の水準まで上昇しており、その背景としては日銀総裁が市場との対話に失敗していることで政策金利の最終到達地点(ターミナルレート)が不確かになっていることも挙げられる。賃上げ要求、ターミナルレートについて総裁からどのような見解が示されるか注目したい。なお、今のところ、市場では日銀の利上げ時期は6月と予想する向きが多くなってきた。
また、FOMCについては四半期に一度の「経済・金利見通し」を確認する必要があるが、現時点では6月会合での利下げ、そして年内計3回の利下げというのが大方の予想となっている。FRB議長は、基本的には米関税政策の影響を見極めながら「今後のデータ次第」という慎重な姿勢を強調するとみられているが、足元で米株安が目立つ中で発言に変化がないか注意したい。
ユーロドルは神経質な展開が想定される。ドイツ環境政党「緑の党」との交渉次第ではあるものの、ドイツの財政拡張期待は根強く、引き続き下値は堅そうだ。ただ、米国が提案したウクライナでの停戦案についてプーチン露大統領が疑問を呈し、即時停戦受け入れに難色を示したことで再び地政学リスクが高まっており、上値も限られそうだ。来週は18日に3月独ZEW景況感指数、19日に2月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値が予定されている。
3月10日週の回顧
ドル円は、上値が重かった。世界的な貿易戦争を懸念して株安が進むと、11日には一時146.54円と昨年10月以来の安値を付けた。その後は株価とともに短期的な戻りを期待した買い戻しが入り149.19円まで切り返したが、米国株が再び下落すると147円台半ばまで押し戻された。
ユーロドルは上値が重かった。独財政拡張への期待感やウクライナを巡る警戒感後退で一時1.0947ドルと5カ月ぶりの高値を付けた。ただ、週末にかけては米関税およびウクライナ情勢への懸念が再燃すると1.08ドル台前半まで押し戻された。(了)