欧州マーケットダイジェスト・18日 株続伸・ドル安

(18日終値:19日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=149.25円(18日15時時点比▲0.49円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.44円(△0.10円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0950ドル(△0.0042ドル)
FTSE100種総合株価指数:8705.23(前営業日比△24.94)
ドイツ株式指数(DAX):23380.70(△226.13)
10年物英国債利回り:4.643%(△0.005%)
10年物独国債利回り:2.810%(▲0.008%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)
       <発表値>    <前回発表値>
3月独ZEW景況感指数
         51.6       26.0
3月ユーロ圏ZEW景況感指数
         39.8       24.2
1月ユーロ圏貿易収支
(季調済)140億ユーロの黒字 142億ユーロの黒字・改
(季調前)10億ユーロの黒字  155億ユーロの黒字

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ユーロドルは底堅い動き。独財政拡大やウクライナの停戦協議進展への期待からユーロ買い・ドル売りが先行。目先レジスタンスとして意識されていた11日の高値1.0947ドルを上抜けると一時1.0955ドルまで上値を伸ばし、昨年10月10日の高値に面合わせした。
 NYの取引時間帯に入ると、2月米住宅着工/建設許可件数や2月米輸入物価指数が予想を上回ったことで、米長期金利の上昇とともにドル買いが進行。一時1.0893ドルと日通し安値を付けた。
 ただ、前日の安値1.0869ドルが目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢に。「独連邦議会(下院)は財政改革パッケージ案を可決した」と伝わった直後こそ独長期金利の上昇幅縮小の動きに伴って1.0897ドル付近まで下押ししたが、そのあとは徐々に買いが強まり1.0952ドル近辺まで切り返した。米長期金利が低下に転じたこともドル売りを誘った。
 なお、格付け会社フィッチは「支出増加が財政再建策や持続的な成長見通しの改善で相殺されない場合、長期的にドイツの『AAA』格付けへの圧力が生じる可能性がある」と警告した。

・ドル円は上値が重かった。米住宅指標の上振れなどを手掛かりに円売り・ドル買いが先行。米長期金利の上昇に伴うドル買いも入り、21時30分過ぎには一時149.93円と日通し高値を付けた。
 ただ、節目の150.00円に接近した場面では戻り売りなどが出たため、伸び悩んだ。トランプ米政権による関税政策が貿易戦争や米経済の下押しにつながるとの懸念が根強い中、米国株相場が下落し、米長期金利が低下に転じたことも相場の重し。3時過ぎには149.14円付近まで下押しした。
 なお、トランプ米大統領とプーチン露大統領はこの日、ロシアによる侵略が続くウクライナ情勢を巡り、米国が提案する即時停戦案などについて電話会談を行った。米ホワイトハウスは「トランプ氏とプーチン氏は平和と停戦の必要性について協議」「エネルギー施設やインフラへの攻撃停止から和平を開始する」とし、ロシア大統領府は「プーチン大統領はエネルギー施設への攻撃停止を命令した」と伝えた。

・ユーロ円は伸び悩み。ユーロドルの上昇につれた買いが先行すると一時164.19円と1月7日以来の高値を付けたものの、買い一巡後は徐々に上値が重くなった。ドル円の失速や米国株の下落に伴う円買い・ユーロ売りが入り、一時163.02円付近まで下押しした。

・ロンドン株式相場は5日続伸。前日の米国株や本日のアジア株相場が上昇したことを受けて英株にも買いが波及した。ただ、本日の米国株が下落すると英株にも売りが出たため、終盤伸び悩んだ。HSBCやバークレイズなど金融株が買われたほか、BPやシェルなどエネルギー株が値上がりした。

・フランクフルト株式相場は3日続伸。独財政拡大やウクライナの停戦協議進展への期待から買いが優勢となった。個別ではラインメタル(5.67%高)やドイツ銀行(4.26%高)、バイエル(4.08%高)などの上昇が目立った。

・欧州債券相場は英国債が下落した一方、独国債が上昇した。

(中村)
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