NYマーケットダイジェスト・19日 株反発・金利低下・ドル失速・円高

(19日終値)
ドル・円相場:1ドル=148.69円(前営業日比▲0.58円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.13円(▲1.26円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0903ドル(▲0.0042ドル)
ダウ工業株30種平均:41964.63ドル(△383.32ドル)
ナスダック総合株価指数:17750.79(△246.67)
10年物米国債利回り:4.24%(▲0.04%)
WTI原油先物4月限:1バレル=67.16ドル(△0.26ドル)
金先物4月限:1トロイオンス=3041.2ドル(△0.4ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)
       <発表値>   <前回発表値>
MBA住宅ローン申請指数
(前週比)   ▲6.2%      11.2%
米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利
    4.25-4.50%で据え置き 4.25-4.50%
1月対米証券投資動向
短期債を含む  ▲488億ドル 1032億ドル・改
短期債を除く  ▲452億ドル  750億ドル・改

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は4営業日ぶりに反落。米長期金利の上昇などを手掛かりに円売り・ドル買いが先行。米国株相場が反発したことを受けて、投資家のリスク回避姿勢が和らいだことも相場の支援材料となり、23時過ぎに一時150.15円と5日以来の高値を付けた。
 ただ、米連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表後は米長期金利の低下とドル売りが進んだ。FOMC金利見通しでは、年内の利下げ回数が2回と前回の想定が維持された。米政権による関税政策で物価上昇圧力が強まる中でも利下げが続くとの見方がドル売りを促し、取引終了間際には一時148.61円と日通し安値を更新した。
 なお、米連邦準備理事会(FRB)は今日まで開いたFOMCで市場予想通り政策金利を4.25-4.50%で据え置き、4月から保有資産を圧縮する量的引き締め(QT)のペースを緩和することを決めた。また、今年のGDP見通しは大幅に下方修正した一方、インフレ率は上方修正した。声明文には「経済見通しを巡る不確実性は高まっている」との文言を追加し、トランプ政権の高関税政策が景気に及ぼすリスクに警戒感をにじませた。
 パウエルFRB議長は定例記者会見で「調査では関税がインフレ期待を押し上げていることが示唆されている」「インフレ期待上昇、かなりの部分が関税に起因」「新たな政策とその影響に関する不確実性は高い」「今年のインフレのさらなる進展が遅れる可能性」と述べたほか、「基本シナリオは関税によるインフレは一時的なものになる」「リセッションの確率は上がったが高くはない」などと話した。

・ユーロドルも4日ぶり反落。トルコでの政治リスクが警戒される中、NY市場に入るとユーロ売り・ドル買いが先行した。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いも出て、2時30分過ぎには一時1.0861ドルと日通し安値を更新した。
 ただ、FOMCで今年2回の利下げ見通しが維持されると米長期金利の低下とともにドル売りが優勢に。4時前には1.0913ドル付近まで下げ幅を縮めた。

・ユーロ円も4日ぶりに反落。23時過ぎに163.66円付近まで持ち直す場面もあったが、FOMC結果公表後にドル円が急落するとユーロ円にも売りが波及。日本時間夕刻に付けた162.20円を下抜けて一時162.08円まで下げ足を速めた。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反発。FOMC金利見通しで、年内の利下げ回数が2回と前回の想定が維持されたことが好感された。米長期金利が低下し、株式の相対的な割高感が薄れたことも相場の支援材料となり、指数は一時600ドル近く上昇した。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も反発した。

・米国債券相場で長期ゾーンは3日続伸。FOMC金利見通しで、年内の利下げ回数が2回と前回の想定が維持されると買いが広がった。4月からQTのペースを緩和することも相場の支援材料。

・原油先物相場は反発。米エネルギー情報局(EIA)の在庫統計はまちまちの結果となったが、結果発表後に買いで反応した。ただ、ウクライナがエネルギー施設への攻撃を停止するという提案を承認したことや、FRBが今年のGDP予想を大きく下方修正したことが重しとなり、上値は限られた。

・金先物相場はほぼ横ばい。FOMCを見極めようと積極的な取引は手控えられた。最高値更新の動きが続いていることもあり、イベントを前に持ち高調整の売りも入ったが、トランプ関税や地政学リスク懸念を背景に下値は堅く、中心限月の清算値ベースでわずかながら5営業日連続の史上最高値を更新した。

(中村)
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