NY為替見通し=ドル円、関税不透明感で上値余地は少ないか

 本日の東京タイムではトランプ関税への過度な警戒感が緩み、ドル円は買いが優勢となった。トランプ米大統領は先週末に相互関税を巡り「柔軟性がある」との認識を示した。トランプ大統領は広範な相互関税を4月2日に発表する予定だが、一部の国・地域は除外すると見込まれている。また一部では、トランプ米政権が検討する輸入自動車への追加関税について2日の正式発表を見送る予定と報じられ、半導体や医薬品など、自動車以外の分野別関税の発表も2日には予定されていないという。

 ただ、トランプ大統領の発言は二転三転するだけに、関税の不透明感は払しょくされたわけではない。トランプ政権が引き起こした通商摩擦は、相手国による報復関税も含めて世界経済を減速させる恐れがあり、投資家のリスク選好志向は高まりにくいままである。トランプ米政権の相互関税の発表を控え、中国の李強首相は、同国が「予想を超える衝撃」に備えていると述べた。トランプ米大統領のディール目的の関税政策がこれまで米株の大幅下落や相手国の予想以上の素早い反発を招いただけに、同氏が今後も強気で関税政策を攻めていけるかどうかも不確実だ。

 本日のNYタイムでは3月の製造業・サービス業PMI速報値の発表や、バー米連邦準備理事会(FRB)理事の講演が予定されているが、引き続き関税関連のヘッドラインに注目する動きが予想される。関税関連のニュースがなければ、ドル円は米株や米金利の動向を眺めながらの小動きにとどまるか。関税の不確実性で、ドル円に積極的に買い進める余地は少ないと見ている。

・想定レンジ上限
 ドル円、本日これまでの高値149.95円や3月5日高値150.18円を上値めど。

・想定レンジ下限
 ドル円、本日これまでの安値149.02円や先週末21日の安値148.59円が下値めど。

(金)
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